酒井 董美(ただよし)(元島根大学教授・口承文芸研究者)
筆者が島根県仁多郡奥出雲町(旧横田町)に住んでいたのは1967年(昭和42)4月から 6年間。鳥上中学校に在職していたときである。この中学校はその後、横田中学校に吸収合併されてしまって現在はない。
八岐大蛇(やまたのおろち)で知られる神話の里、船通山の麓にあるこの中学校の校長は高橋一郎先生。地方史の研究家として常に研鑽を続け、鑪(たたら) 研究などでその道の中央での専門家からも一目置かれていた。筆者は転勤後の翌年『島根新聞』(地方日刊紙『山陰中央新報』の旧名)に「島根のわらべ歌」を51回にわたって連載したが、音楽についてはまったくの素人なので、高橋校長にお願いして採譜にしていただいたのを掲載することが出来た思い出は、今でもありがたくもあり、懐かしく思っている。
このころ、筆者は休日には古老を訪ねて民話などの口承文芸収録に励んだものである。校区である大呂の安部イトさん(1894年生)や竹崎の田和朝子さん(1907年生)。校区外では大馬木の千原貞四郎さん(1888年生)とか、旧仁多町下阿井の井上掏佶(とうきち)さん(1886年生)などが、実に優れた話者であり、多くの貴重な民話を録音させていただいた。筆者のカセットにはそのときの音源が保存されているが、出雲かんべの里のホームページからも、いくつかは登載しているので、パソコンやスマホなどで聞くことが可能である。
鳥上中学校近くには、その名も怖ろしそうな「鬼神神社」が存在している。節分などに炒り豆をぶつけられて追われる鬼は、本来、山に棲む神の零落した姿であると民俗学的には認められているのであるが、まさにそれを証明するのにふさわしい「鬼」+「神」の神社としている。その後、筆者は多くの方々を案内して喜ばれたものである。
奥出雲地方には、このように筆者にとって実に魅力あふれた懐かしいる土地なのである。

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