―戦国武将とたたら製鉄の出会いが創る文化―
シリーズ『島根の文化と歴史』
「神々の国」島根の歴史と文化を美しい自然と人とひとの出会いの物語を通して、島根の旅をお考えの皆様にお送りします。
■概要
【櫻井家】
櫻井家は奥出雲町上阿井にある戦国武将塙団右衛門の末裔家です。
大坂夏の陣で始祖討死の後、嫡男直胤は母方の姓「櫻井」を名乗り広島の福島正則に仕えますが、同家改易の時広島の郊外「可部郷」に住み鉄山業を営みました。その後、1644年3代目の直重がこの地に移り、屋号を「可部屋」としました。松江藩より「御鉄砲地鉄鍛方」を命ぜられ、5代目の利吉は「鉄師頭取」の要職を拝命、鉄山業を仕切りました。
現存する建物で古いものは1735年、母屋も1738年に建てられたもので、住宅は国の重要文化財、県の有形文化財に指定されています。
【岩浪の滝】
歴代藩主の藩内巡視の本陣宿となり、7代目の藩主治郷公(松平不昧公)の折、滝をつくり、不昧公によって「岩浪の滝」と命名されました。
【庭園】
川を挟んで沢山のもみじの樹木があります。5代目の室が京都から輿入れの際に持ってきて植えたと伝わっています。四季折々の色合いを見せ、春から夏ならば深まりゆく緑、秋には艶やか紅葉と一年を通した彩を見ることが出来ます。
【可部屋集成館】
江戸期から櫻井家に伝わる美術工芸品、歴史資料を展示した歴史資料館です。また、たたら製鉄の道具や有形民俗資料、明治11から12年にかけて逗留した南画家田能村直入の多くの作品も展示されています。また季節ごとに特別展も開かれています。
企画・制作:webサイト『島根国』
協力:株式会社オウコーポレーション
■可部屋集成館 問い合わせ
住所 島根県仁多郡奥出雲町上阿井1655
電話 0854-56-0800
アクセス JR木次線出雲三成駅から奥出雲交通バス内谷行きで24分、終点下車、徒歩5分
ホームページ http://kabeya-syuseikan.com/