―たたら製鉄と地方の近代化を目指して(奥出雲大谷)―
シリーズ『島根の文化と歴史』
「神々の国」島根の歴史と文化を美しい自然と人とひとの出会いの物語を通して、島根の旅をお考えの皆様にお送りします。
前篇
【絲原家】
武士であった初代の善左衛門は、江戸時代初期に備後国から移住。農業とともに製鉄も始め、9代の忠三郎が現在の地にたたら製鉄の高殿(鉄穴鈩)と居宅を移し、今に至っています。
松江藩の五鉄師の一人に任ぜられ、鉄師頭取も務めました。しかし、大正時代後期、洋式製鉄の普及により三百年間続いたたたら製鉄を廃業し、山林業に転換しました。
12、13代の武太郎は貴族院議員として国政に参画。国鉄木次線(現JR)の開通に尽力しました。14代義隆は半世紀にわたり地方自治にたずさわりました。
【絲原記念館】
記念館は、三つの領域に分けて展示されています。
第一は、たたら製鉄に関連する資料・古文書、そして実際に使用された道具など。第二は、絲原家伝来の貴重な品々、調度品、御成(おなり)用具、嫁入り道具などの民俗資料、美術品など。第三は、絲原家のたたら産業史とともに地域に貢献した資料や品々など。それぞれ説明付きで展示されています。木次線の品々は、鉄道ファンには見逃せないものです。
協力:公益財団法人『絲原記念館』
語り:尾方豊
企画・制作:webサイト『島根国』
製作協力:株式会社オウコーポレーション
■ 絲原記念館 問い合わせ
住所 島根県仁多郡奥出雲町大谷856-18
電話 0854-52-0151
アクセス JR木次線出雲横田駅からタクシーで16分
ホームページ http://itoharas.com