• ~旅と日々の出会い~
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出雲地方)親ごに離れてはや七日(手まり歌)安来市広瀬町西比田

収録・解説 酒井 董美 イラスト 福本 隆男
伝承者 永井トヨノさん 明治23年(1890)生
(2005年(平成17年)4月26日収録)

親ごに離れてはや七日

七日と思えば四十九日

四十九日参りをしょうと思て

おばさんのところへ 着るもの一反借りね来た

あるものないとて貸しぇだった

やれやれお腹が立ちなんど

奥の納戸に機(はた)たてて

今日も一反織りおろし

明日(あ し た)も一反織りおろし

下(しも)の紺屋(こ う や)へ一反と

上(かみ)の紺屋へ一反と

染めください紺屋さん

染めてあげましょ何色に

肩にはシャッポ  裾(すそ)には柳の葉をつけて  葉をつけて

解説

 手まり歌には、内容にどきっとするものがときどきあるが、これもその一つである。

歌の主人公は女性と思われる。物語の展開が、機織りや染め物にかかわりのある語句で構成されているので自然な考えである。また、内容は出だしからして親子離散の憂き目にあっていることが推定できる。「七日」は「初七日」のことかもしれず、また「四十九日参り」というのも、逝去後の四十九日法要を指しているようにも推測される。はっきりとは述べられてはいないが、「親に離れて」とあるのは、親と死別したことを暗示させているかもしれない。

 この同類を捜してみると、仁多郡奥出雲町大呂から比較的近い距離にある飯石郡飯南町角井で次のような歌があった。

親に離れ子に離れ 殿御に離れて今日七日

七日と思えば四十九日

四十九日参りをしょうと思て

叔母のところに着り物借りにいったんだ  あるものないとて貸せだった

やれやれ腹立つ残念な

後ろの小庭に機たてて

今日も一反織りおろし

明日も一反織りおろし  東の紺屋へ一反と

西の紺屋へ一反と

染めてください紺屋さん

染めてあげます何色に

紺と紅(べに)との花色に 花色に

(後長スエノさん・明治41年生)

 細かなところでは両者は多少の違いがみられるが、大筋では同じである。

 手まり歌には、生活の厳しい状況を取り上げたものがよくある。どうしてここのような内容をうたっているものが多いのか、まだ、わたしには理由が分からない。

出雲かんべの里 わらべ歌の部屋 「親ごに離れてはや七日(手まり歌)」

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