• ~旅と日々の出会い~

絲原家(奥出雲町大谷)

絲原家と田部家(雲南市吉田町)、櫻井家(奥出雲町上阿井)は、松江藩の三大鉄師です。絲原家の黒門を抜けると静寂さのなかに揺れる木洩れ陽に、一瞬、悠久の時へと足を踏み入れた錯覚に陥ることでしょう。

中世武家

絲原家は、中世武家の一門で寛永元年(1624)備後国からこの地に移住、初めは農林業を営みましたが、寛永10年(1633)にたたら製鉄業を開始、その後大正12年(1923)までの280年にわたってたたらの火を燃やし続けました。絲原家の史料によると、最初は大馬木おおまき村の大原鉄山にたたら場を建てて吹方を許され、その後、たたら場の場所を転々と替えましたが、天明8年(1788)に雨川あめかわ村に雨川鈩を建てた後はたたら場を動かさず、大鍛冶場のみを移動させるようになりました。

絲原記念館

絲原家住宅(国登録有形文化財)は、大正13(1921)年に建造された主屋や蔵などが残っており、「絲原記念館」には、たたら資料のほか松江藩主からの拝受品を含む美術工芸品、家具調度品、古文書などが展示されています。

茶房「十五代」

1924年に建築された絲原家は有形文化財に指定されています。その一角に作られたCafé「茶房十五代」は、大正時代の雰囲気を感じる落ち着きのある空間です。店内の大正時代の装飾品や絲原家の森林の「けやき」を使ったテーブルは、珈琲の薫りとともに来店者の心を癒すことでしょう。

■所在地 仁多郡奥出雲町大谷856

周辺情報

絲原家、櫻井家、卜藏家の三家とも奥出雲町にあります。寄っていただきたい自然や文化遺跡、食などの『周辺情報』は、どこからでもお訪ねできます。サイトでの紹介は便宜上三つに分けましたが、櫻井家、卜藏家の周辺情報も合わせてご覧ください。

出雲横田駅

木次線と地元タクシーを使用される方は、出雲三成か出雲横田で下車すると便利です。タクシーの事前予約をおすすめします。

木次線の前身、簸上(ひかみ)鉄道の敷設に絲原家13代目が尽力されました。写真の出雲横田駅は、昭和9年に建てられた社殿づくりの駅舎で、大きなしめ縄も特徴です。「奥出雲たたらと刀剣館」と「そろばんと工芸の館」は出雲横田駅の近くにあります。

奥出雲たたらと刀剣館

出雲横田駅裏側の小山にある『奥出雲たたらと刀剣館』は、日本遺産『出雲の國たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語』のガイドセンターのひとつです。スサノヲが降り立った鳥髪山(船通山)を睨むように揺れるヤマタノオロチの頭が皆様をお迎えします。館内は、奥出雲町のたたら製鉄について展示され、実物大のたたら炉断面模型や、たたら吹きで使われた吹子の実物模型は圧巻です。

そろばんと工芸の館

電卓やコンピュータに追いやられた算盤ですが、使ってみるとなかなか楽しい計算機器です。出雲横田駅を出て隣にある「そろばんと工芸の館」では、雲州そろばんの歴史から製造工程を紹介しています。伝統工芸の匠の技と共に、かつては奥出雲の人々の大切な産業であったことを知ることができます。

横田相愛教会の礼拝堂

1923年、新島襄に影響を受けた岡崎喜一郎氏が「救世軍横田小隊会館」として献堂しました。1937年から1972年までは、横田郵便局として使用されました。1978年、横田相愛教会の礼拝堂として再生、1979年「近代日本の名建築」に、1996年には文化庁の登録有形文化財となりました。

木次線のトロッコ列車とスイッチバック、奥出雲おろちループ

トロッコ列車。木次駅~備後落合駅間を走るトロッコ列車「奥出雲おろち号」は、1998年4月から運転を開始しました。期間限定で、事前での予約が必要です。途中の出雲坂根から三井野原スキー場までのスイッチバックからの景色は見逃せません。

おろちループ。1992年に開通した日本最大級の二重ループ式道路です。標高差167mを11本の橋と3つのトンネルで結んでいます。
道の駅から見る四季折々の景色は絶景です。

鬼の舌ぶる

鬼の舌震は、大馬木川の急流がつくった約2㎞に渡るV字峡谷です。切り立った絶壁、折り重なった巨岩と激流は、鬼も舌を震わすほどの絶景です。現在はバリアフリー遊歩道ができ、車いすでも通行可能です。(事前に確認ください)
ここに暮らす美しい玉日姫にワニ(サメ)が惚れ、夜な夜な通っていました。しかし、それを嫌った女神は巨岩で川をせき止めて阻んでしまいました。ところがワニは一層姫を恋し、その「ワニが慕った」が『鬼の舌震』という名前になったといわれています。どちらを選ぶかは、あなた次第です。

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