• ~旅と日々の出会い~
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卜藏家(ぼくら、奥出雲町竹崎)

「横に長い田があることから横田という」。そのJR木次線の「出雲横田駅」から車で30分。斐伊川上流の船通山の麓に卜藏家はあります。船通山からの吹き下ろす風が、四季折々の色彩に自然の有様を織りなしています。

文化的景観の地

卜藏家の家伝では楠木正成の子孫で、室町時代に今の鳥取県から移り住んだと伝えられています。江戸時代、櫻井家や絲原家とともにたたら製鉄とともに鉄輸送にも関わってきました。その関係から和牛の品種改良にも尽力しました。

卜藏家の住居などは残っていませんが、当時を伝える遺構は保存されています。また、たたら製鉄のカンナ流しの跡地に造られた追谷集落の棚田は、たたら製鉄の歴史とともに農山村の文化的景観として残されています。

卜藏家の庭園

伯耆国から移住し、ト蔵と名乗るようになったのは1495年のことです。住居などはありませんが、松江藩との繋がりにより、卜藏家が関西地方から庭師(小堀遠州の弟子)を招き、元禄4年(1691年)作庭したという「卜藏庭園」はその繁栄を伝えています。

Café 鈩の舎

卜藏家の元小屋(事務所)を改造した店で、船通山の湧水をつかった焙煎珈琲を提供しています。船通山ののどかな風景と共にお楽しみください。

椿庵

庭園内にある「椿庵」では、奥出雲の食材をつかった食事や蕎麦を楽しむことができます。四季折々の景色をご堪能ください。

周辺情報

卜藏家の庭園は、櫻井家、絲原家とともに奥出雲町にあります。寄っていただきたい自然や文化遺跡、食などの『周辺情報』は、どこからでもお訪ねできます。サイトの紹介は便宜上三つに分けましたが、櫻井家、絲原家の周辺情報も合わせてご覧ください。

美しき棚田(棚田の文化的景観)

たたら製鉄という生業の中で、先人たちが自然に働きかけ、つくりあげた「文化的景観」です。奥出雲の水田の35%以上が、たたら製鉄の鉄穴流しに由来するといわれています。

そんな美しい棚田のなかでお奨めなのが、追谷(おいたに)集落、福頼(ふくより)の棚田、大原新田です。春の田植え、夏の海原、秋の黄金色。奥出雲の風に揺れる四季のさざ波をご覧ください。

追谷棚田
大原棚田
出雲そば

出雲そばは、そばの殻付き(玄そば)のまま製粉します。見た目が驚くほど黒っぽいのが特徴です。そのため香りが高く、また歯ごたえがあり、日本酒党にはつまみとしてもぴったりです(個人的感想です)。小そばを提供する店も増えています。

奥出雲町内には20軒ほどの蕎麦屋があり、それぞれが特徴のある味わいある蕎麦を提供してくれます。割子そばがお薦めです。お店の詳細は検索してください。

小そば畑
仁多米

「たたら製鉄が生んだ奥出雲の資源循環型農業」が、農林水産省によって『世界農業遺産』に推薦されました。その一環で生産される「仁多米」は、夜昼の寒暖差やミネラル豊富な雪解け水を使い生産されています。はぜ干しで手間暇かけた「仁多米」は、きっと皆様の胃袋を満足させるはずです。

オオサンショウウオの住む里

たたら製鉄という鉱業と、農林畜産業が見事に調和し、自然と共生した此の地方独特の暮らしは、今も生物の多様性に富んだ豊かな自然を残しています。

「生きた化石」ともいわれるオオサンショウウオは、国の天然記念物に指定されています。昔、「はんざけ」とも言い、半分にちぎれても生きていると教えられました。

町内の山間の奇麗な小川では割と見かけますが、捕獲は禁止されています。守りたい両生類です。

美味しい米と奇麗な水がくれば、見逃せないのが日本酒です。奥出雲町には二つの造り蔵があります。それぞれこだわりのあり、特徴のあるお酒です。是非一度、お召し上がりください。

奥出雲酒造株式会社の「奥出雲」「仁多米」。
簸上清酒合名会社の「玉鋼」「七冠馬」。

奥出雲
玉鋼

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