• ~旅と日々の出会い~
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五回 勝海舟『氷川清話』の地、赤坂「氷川神社」

赤坂 氷川神社

赤坂は坂の多い町です。地下鉄の「六本木一丁目」から氷川神社に向かう最後の道が急な坂道になります。舗装もされない江戸、明治の頃、雨が降れば大変だっただろうなと、ふと過ります。というのも赤坂・氷川神社の境内は樹齢数百年の樹木に覆われ、古き時代を想像させるのです。本殿や樹木が残ったのも、安政の大地震や関東大震災、そして十万以上も亡くなられた東京空襲でも戦火を免れたためです。

「氷川神社」は何度も紹介しましたが埼玉と東京を中心とした神社で、赤坂の氷川神社は天暦5年(951年)武州豊島郡一ツ木村(人次ヶ原)に祀られ、1000年以上の歴史があります。素盞嗚尊(すさのおのみこと)妻の奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、そして葦原の中つ国を統一支配した大己貴命(おおなむぢのみこと、大国主命)が祀られている。

銀杏の大木

境内にはたくさんの樹々が生い茂り、ひときわ目を引くのが樹齢400年の天然記念物の大銀杏です。地上1.5mでの周囲は約8メートル弱もあります。また江戸の年号が刻まれた鳥居、そして燈籠や狛犬があり、江戸の風情を感じます。

勝海舟と『氷川清話』

氷川神社周辺には勝海舟の屋敷跡や住んでいた跡があります。また鳥居をくぐって右側に四合稲荷神社があります。明治31年(1898)に、4社の稲荷神社を合祀した折、勝海舟が命名しました。四合(しあわせ)と読みますが、恋愛や商売繁盛などの御利益があるかもしれません。

勝海舟は「時世が人をつくる」という見方をする人物だったそうです。その書籍に『氷川清話』(講談社学術文庫)がありますが、これが非常に面白い本です。とくに坂本龍馬についての文など楽しくなります。龍馬は私を殺しに来た暗殺者だとか。夜中にオンザロックを片手に読むには最適な本です。お薦めです。「氷川」と書かれるように赤坂の氷川神社の近所に暮らしていた頃にまとめた話でしょう。

川口市氷川神社の御朱印帳

氷川神社つながりで埼玉県川口市の氷川神社の御朱印帳を紹介します。イラストレーターの横尾忠則氏とのタイアップによる限定「御朱印帳」があります。私もかつて求めに出かけたのですが駄目でした。横尾忠則氏のイラストの素戔嗚尊と八岐大蛇退治はさぞかし迫力があると想像できます。(注意 現在の販売については、みなさまでご確認ください)

麻布十番か六本木

さて、赤坂氷川神社の帰りはどこに寄って飲むか? 六本木か麻布十番でしょう。

六本木なら、まずエンターテインメントレストラン「六本木金魚」で踊り子さんたちの究極の美と笑いを堪能してから、路地裏の割りと明るくて安めの飲み屋さんに行くのもいいでしょう。また高いワインを抜くのもいいのかも。ここは皆様で検索してください。

麻布十番ならば、ご予算と相談して「あべちゃん」か「がいがい」などの焼鳥屋がおすすめです。また「浪花屋総本店」のタイ焼きを食べながら新橋に流れるのもいいでしょう。食事処、飲み処は情報誌でお探しください。

さて横尾忠則氏のイラストの流れでお話しすると麻布十番祭りで配布される団扇のイラストは宇野亜喜良氏の作品です。1960年代、サイケデリックやアングラ劇場の状況を背景に、横尾忠則氏や宇野亜喜良氏、そして赤瀬川源平氏たちが『反芸術』派として活躍されました。麻布十番のお祭りに出かけて宇野亜喜良氏の団扇をご覧ください。

宇野亜喜良氏のイラストですが、お祭りの団扇ではありません

氷川神社(赤坂) 素盞嗚尊、奇稲田姫命、大己貴命(大国主命)
東京都港区赤坂6-10-12
最寄り駅 日比谷線・大江戸線(六本木駅)、南北線(六本木一丁目駅)等

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