• ~旅と日々の出会い~

六回 白拍子(しらびょうし)の悲しき舞の鎌倉、「八雲神社」

都内からでかけ鎌倉周辺を散策する路は、季節やその日の気分で変わります。北鎌倉で下車し、円覚寺、明月院や建長寺を散策して鶴岡八幡宮へと向かう路。藤沢から江ノ電に乗り、江ノ島に寄り道して海岸線を眺め、極楽寺や長谷寺を訪ねる路。そして鎌倉から鎌倉大仏に参拝し長谷寺でアジサイを眺め、由比ガ浜で潮風と遊ぶコース等々です。この由比ガ浜から鎌倉駅に向かう途中にある鎌倉女学院の先に「八雲神社」があります。

八雲神社

八雲神社は、鎌倉で一番古い厄除神社で、参道には奉納された厄除け祈願のノボリが並んでいます。祭神は、出雲の神様である須佐之男命(すさのおのみこと)、稲田比売命(いなだひめのみこと)と八王子命です。祇園信仰の神社で、その代表的な神社が京都の八坂神社です。

1080年頃、安倍貞任を征伐する新羅三郎源義光が奥州に赴く途中、鎌倉に立ち寄ると疫病が流行っていたため、京都の祇園八坂社(現在の八坂神社)の祭神を勧請したのが始まりと伝えられています。現在はハイキングコースの入り口でもあり、ハイカーで賑わっています。

鎌倉大仏

大仏(高徳院)は鎌倉のシンボル的な存在です。正式名は、銅造阿弥陀如来坐像で国宝です。像高は約11.39メートル(台座を含めた高さ13.35メートル)、面長2.35メートル、重量約121トン。猫背気味の姿勢や体部に比べて頭部が大きい点など、なんとなく愛嬌を感じます。ちなみに眼長1メートル、耳長1.9メートルです。いつできたなど経緯については不明で謎の多い仏像です。

長谷寺(はせでら)

736年(天平8年)に出来たと伝えられています。境内にある一本のクスノキから彫られた本尊の「木造十一面観音像」は、高さ9.18メートルで日本最大級の仏像です。地元では「長谷観音」の名で親しまれています。
1年を通じて季節の花が楽しめるお寺で、6月のアジサイのシーズンには長蛇の列ができます。海から吹き上げる風を感じながら歩く眺望散策路(あじさい散策路)は身も心も軽やかにするでしょう。見晴台からは由比ヶ浜の海が一望できます

由比ガ浜とシラス丼

滑川河口の西側の海岸とその周辺を由比ヶ浜と呼び、東側を材木座海岸と呼んでいます。今では湘南の海と称され、歌にもなり、夏になると多くの海水浴客でにぎわっていますが、鎌倉時代は戦いの舞台でした。

源頼朝に追われる源義経と別れ別れになった妻の静御前(しずかごぜん) は吉野で捕らわれ、鶴岡八幡宮の前で白拍子の舞を頼朝に命じられます。義経の子供を身ごもっていた静御前は義経を慕い「しづやしづ しづのをだまき 繰り返し 昔を今に なすよしもがな」(※)と歌いました。激怒した頼朝は切り捨てようとしたのですが、妻の北条政子が諭すのです。しかし宿した子は・・・。(※同時に詠む「吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の跡ぞ恋しき」)

シラスの漁獲も減り高くなったシラス丼ですが、やはり食べたくなります。これを食べたくて由比ガ浜に来るといってもいいでしょうか。人それぞれですが、私はシンプルな盛りが好きです。

鎌倉野菜

鎌倉野菜とは特定の品種があるのではなく、鎌倉や藤沢周辺で収穫、販売されている野菜全体の通称名です。100種類以上あると言われています。味の濃い野菜でレストランではそれぞれ創意ある料理を提供してくれます。

お薦めは、鎌倉駅から小町通りに入って20メートル進んだ左側の建物の二階『なると屋+典座』です。野菜だしの料理に冷酒がほしくなります。料理長であり店主の寡黙な姿も味を引き立てます。

八雲神社 須佐之男命、稲田比売命、八王子命など
鎌倉市大町1-11-22
最寄り駅 JR鎌倉駅 徒歩10分

→「全国の出雲の神々」に戻る

SNSでシェアする