12月12日は「木次線全線開通」(宍道~備後落合)の記念日。1937年(昭和12)12月12日、八川から備後落合間が延伸開業し、木次線は宍道から備後落合まで繋がりました。今から88年前のことです。 その二日後の12月14日(日曜日)、「木次線まつり」が木次駅前のチェリヴァホール会館で開かれます。
私たち『島根国』は、木次線一部廃線をどのように受け止め、新たな価値・行動創造に活かすかの視点で紹介します。もちろん暮らしている人と旅行で訪ねる人、若者と老人、あるいは鉄道ファンと経済思考の人とは考え方も方向も異なります。さらには多様性のなかで価値観もスタイルも変化します。その違いを認識しつつ『廃線』について考えてみましょう。
なお、一部廃線区間は出雲横田と備後落合の間です。そこには全国的にも珍しいスイッチバックが含まれています。
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■木次線まつり
まつりの象徴的なところを紹介します。(敬称略)
・映画 10時から(開場9時30分) 『銀河鉄道999』(1979年フィルム)の上映
一般1,000円(前売り、当日1,200円)、学生(18歳未満)500円(前売り、当日700円)
・木次線シンポジウム(13時から13時55分)
『マンガでつなぐ地域の未来』江上英樹
『パネルディスカッション』飯野公央、江上英樹、島根大学鐡道研究会、たこぱいそん
・ロビーイベント(10時から15時)
各種展示、PRコーナー、出雲坂根スイッチバック・ジオラマ運転会等
●『木次線応援コミックス完成発表会』
盛り沢山の演出が計画されています。地元や周辺の方のみならず島根旅行を計画されている方もご参加頂き、木次線一部廃線について考え、そして次なる施策、一手を考えていただければ幸いです。


昨年の「木次線まつり」で発表されたクラウドファンディングでのコミックス制作。木次線出雲坂根駅のスイッチバックを舞台に、少女(?)や妖精(推測)たちが織り成す「廃線」に関する物語のようです。登場人物や物語の展開は、木次線まつりにて、クラウドファンディング協力者に配布されるコミックスで判明します。
全体のプロデュースは江上英樹さん、漫画作成はたこぱいそんさん。
制作の思いや苦労話、そして今後の展開や希望については、木次線シンポジウム『マンガでつなぐ地域の未来』や『パネルディスカッション』で明らかになることでしょう。


広島駅から岡山県の新見市にある備中神代駅まで開通したのが1936年の10月10日のことです。
一方、第一回文化勲章(横山大観等)、パリ万国博覧、浅草の国際劇場オープン、後楽園球場が開場します。
これらすべて突発的な事件や行動というよりは、事前に検討・計画されています。
日本海と瀬戸内海、山陰と山陽をつなぐ線として、経済的にも政治的にも極めて重要な意味と位置を担っていました。
1945年8月6日の原子爆弾投下による多くの被爆者を、広島から運んだのも芸備線と木次線でした。
戦後も変わることなく、松江と広島をつなぐ線とした活用されました。夜行急行の「ちどり号」がその代表的な事例でしょう。1960-70/80年代、出雲地方の小学生の修学旅行は広島で、原爆ドームや宮島を見学しました。広島大学を受験する高校生も、また広島の若者は三井野原スキー場や大山スキー場、三瓶山スキー場に行くのに使いました。また、日本海の海産物を背負った行商の人々や富山の薬売り人の道でもあったのです。
マニアックな活用として、宍道方面から木次線で備後落合まで来、ここで芸備線の上りに乗り換えると「津山」に行くことが出来ます。また途中の「新見」で伯備線に乗り換えると「岡山」に向かうことが出来ます。
まるで中国山地尾根の旅です。

1964年の東京オリンピックの標語は、「より速く、より高く、より強く」でした。聖火が走りました。
時代は、大量生産・大量消費とともに、「速さ・高さ・強さ」も必須の条件としました。そのひとつが道路整備とともにモータリゼーションの急進展でした。集団就職で飛び立った若者から、進学・就職の可能性を求めた旅立ちへと変化しました。
そして21世紀、通信からインターネットの浸透は、鉄道に頼ることはなくなりました。
木次線の車両から通勤通学者や旅行者の姿が徐々になくなりました。仕事がないからでしょうか。町中の高校が進学によいからでしょうか。魅力がないからでしょうか。それとも空白の30年といわれるように、活性化の努力を怠ったからでしょうか。
そんなことはありません。自治体も、民間・住民も、そしてJRや観光関係も努力してきました。しかし、それよりも変化が急で、激しく、不確実で、多様だったのです。

ダイバーシティという考え方があります。「多様性」を意味します。組織や集団や企業が年齢・性別・人種・国籍・障がいの有無・価値観・性的指向など、さまざまな属性やバックグラウンドを持つ人々で構成されている状態を指します。
企業や社会において、このような多様性を差別や偏見することなく尊重し、一人ひとりの能力を活かすことを推進しています。
みんなが「怖くない」社会、そしてみんなにとって「明るい」社会。その一歩として、多様化した中のひとつの層を置いてみるのです。今回のコミックスの発行は、漫画好きな層、鉄道好きな層をターゲットして企画されました。新しいひとつの活動です。
私たちは戦後民主主義の幻想にとらわれています。そのひとつが「多数決の原理」です。多数が正しい、多数に従う。たしかに事を決めるときには大切かもしれません。しかし、多数が常に正しいとは限りません。
多様性のなかでのコアな層の探索・開拓・育成・ファン化をしてみるのも、新しい活動だと思います。
皆さんも考えてみましょう。

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