• ~旅と日々の出会い~
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七難八苦をあたえたまえ

 -横山大観、どじょうすくい、そして月山富田城-

「足立美術館」は島根を旅する人が上位にあげる訪問地です。
横山大観の展示も感動的ですが、横山大観の絵画をリアルに再現した壮大な日本庭園には心にしみいる思いがします。米国の日本庭園専門誌で17年連続日本一に選ばれるのも素人目にも頷けます。自然の描く四季折々の庭園からは、別の季節には違う表情があるよと奥ゆかしいメッセージを感じます。

その足立美術館から車で10分ほどのところに月山富田城跡があります。
戦国時代、毛利家に滅ぼされた尼子一族の山城で、ちょっとしたハイキングコースです。家臣の山中鹿之助(やまなかしかのすけ)が三日月に誓う「我に七難八苦を与えたまえ」は、島根に生まれた中高年はみんな知っています(?)。
ところが最近は知らない若者も増えているようです。首都圏の方に島根旅行の紹介のついでに「山中鹿之助」の話をしても、御存じでない年配者がいらっしゃいます。数年前、山中鹿之助をNHKの大河ドラマにとイベントを行っていましたが、全国区の武将ともなれば月山富田城も名所となるでしょう。

その月山富田城のある安来市に吉田酒造があります。
そこの「月山」がまろやかで旨い。東京の日本酒を置く店で見つけると知人友人に必ず薦めます。個人的には豆腐料理で頂くのが好きで、薬味のミョウガやショウガ、ネギも、そして醤油にもこだわりたいですね。箸の先に先に少しのせ、薄い杯で月山を頂く。島根の野菜に合う酒です。

ところで、「山形の磐梯朝日国立公園の月山ですか」と訳知り顔で頷く知人には、尼子一族から山中鹿之助の戦国時代絵巻を、足立美術館から横山大観を、安来節からどじょうすくいの話をたっぷりさせていただくことになります。

月山
吉田酒造株式会社 (安来市)

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