• ~旅と日々の出会い~
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静寂に秘められし情念の町、津和野(全四話) 目次として

― remember青春、revolver創造 ―

・一話 文化 創を生みつづける風土(夜が明けたら)
・二話 自然 町と歴史を眺める山並み(出会いは突然)
・三話 哲学 営為に織りなされし佇まい(問い)
・四話 共生 異質を受け入れ共に(出会い)

津和野を四話に分けて紹介します

津和野町は、島根県の南西部、石見地方の鹿足郡にあります。山口県ではありません、れっきとした島根県です。そんな津和野、山陰の京都とも呼ばれ数奇で妙な影響を受けた町を、旅の思い出とともに紹介させて頂きます。

数奇とは幕末、討幕の尖峰で最も過激な尊王攘夷の志士を配した長州藩と、徳川の遠縁にあたる松平の幕府側の浜田藩に挟まれ、弱小藩としての創意工夫の戦略と権謀術数の策で生き延びました。それが教育(身分を越えた支援)と遊学(見聞の奨励)でした。

妙な影響は、1970年大阪万国博のあと国鉄と代理店による日本を見直そうの二弾『ディスカバージャパン(美しい日本と私)』という一大ブームです。小さな町・津和野に女性雑誌『an・an』『non₋no』からとった『アンノン族』と呼ばれた若い女性たちが沢山訪れました。もちろん男の人たちも。倉敷や萩とともに「鯉と二人乗りの自転車」で人気の町となりました。関東では清里でしょうか。そして飽きられるのもはやかったのです。

そんな歴史と時代に翻弄された津和野の町を、私小説風に1970~80年代の視点と今の感性で津和野町を綴ります。

旅する人は、京都の女子大に通う女の子四人と、東京の大学に通う放浪の旅を好む男の子です。そして今の私。

城下町を泳ぐ鯉

目次と各紹介遺跡や物語

一話 文化 創を生みつづける風土(夜が明けたら)
  ― 旅立は偶然、必然、それと も運命 ―

【主な紹介場所】

 津和野駅とSL、安野光雅美術館、桑原史成写真美術館

津和野駅とSL
二話 自然 町と歴史を眺める山並み(出会いは突然)
  ― ディスカバージャパンに舞ったアンノン族 -

【主な紹介場所】

 津和野城跡出丸、津和野城跡本丸、リフト、鷲原八幡宮、太鼓谷稲荷神社

山城から見る津和野の町
三話 哲学 営為に織りなされし佇まい(問い)
  ― 森鴎外も西周も知らない鯉の小川、津和野百景図 ―

【主な紹介場所】

 津和野日本遺産センター、鯉の米屋、藩校養老館、鯉の道、森鴎外旧宅、森鴎外記念館、西周旧居

藩校養老館
四話 共生 異質を受け入れ、共に(出会い)
  ― 思い出は永遠に、そして再び花ひらく ―

【主な紹介場所】

 乙女峠マリア聖堂、カトリック教会、永明寺

乙女峠マリア聖堂

ディスカバージャパンのころにミニ周遊券で萩・津和野と出掛けた皆様、まだ訪ねたことのない皆様、「津和野」は時代とともに変化しながらも、歴史という集積を丁寧に掘り起しては、私たちに提供してくれます。その総体が、「静寂に秘められし情念の町、津和野」で、人によっては「remember青春」でもあり、「revolver創造」だと思います。

二日でも回り切れなかった盆地の「津和野」。出会った方のお話しに聞き入り、紹介された方を訪ねて話し込み、人の繋がりが広がり、印刷物や映像では伝えられない「思い」「意気込み」、そして「心」に接することも出来ました。

紹介パンフレットにある名所旧跡だけではありません。お話し頂いた小路の物語に、路角の出来事に、そして染み入るような景色に、つい時を忘れ佇み、眺めていました。二泊三日の旅で見ることのできなかったお祭りや食べ物ですが、お話しだけでも十分味わうことができました。

もちろん、人の世の常、社会の必然で、辛いお話しもお聞きしました。それも含めて大切なことです。過去は未来を創る大切な教材です。だからでしょうか、お会いした津和野の皆様は、歴史を大切にし、未来について笑みを交えて語られました。

お聞きした「森鷗外」「西周」「津和野日本遺産」のインタビューは、別なコーナーで文章と動画(YouTube)で紹介させて頂きます。あわせてご覧ください。(現在制作中)

津和野城跡から眺めた城下町・津和野

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