しんじ湖温泉は、松江城に近い宍道湖の北側に面し、昭和46年(1971年)に見つかった新しい温泉です。
JR「松江」駅よりバスで15分ほど。一畑電鉄「松江しんじ湖温泉」前からは徒歩で数分から十数分、改札口を出ると右手に足湯があります。
宍道湖の湖畔に沿って八軒ほどの旅館とホテルが並んでいます。宍道湖の四季折々の湖面の輝きと夕陽は、皆様の疲れをいやしてくれるでしょう。
地下1250mから湧き出す温泉は、77度の高温で、湯量は豊富です。
ナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉で、保温効果のある温泉です。効能は、神経痛、関節痛、筋肉痛、冷え性などに効果があるといわれています
松江市の名所旧跡、風光明媚なところは沢山あります。たとえば、北側ならば、美保関から加賀の潜戸、佐太神社。南側ならば、神魂神社(かもす)や八重垣神社、風土記の丘のある意宇(おう)郷、東側ならば、牡丹で有名な大根島の由志園(ゆうしえん)、西側ならば宍道湖です。ここでは四か所ご紹介します。
・国宝の天守閣、松江城
松江城の天守閣は、全国に12城しか残っていない現存天守のひとつです。
1600年、関ヶ原の戦いの功績で堀尾忠が松江藩主となり月山富田城に入城します。しかし統治と経済効果から松江城への移転を計画します。途上にて忠が死去したため父・堀尾吉晴によって1611年に完成します。
現在、天守閣は国宝に指定されています。ここから見る松江の町は絶景です。
・ぐるっと松江・堀川めぐり(堀川遊覧船)
松江城を囲む約4キロの堀川を、船頭さんの案内や歌を聴きながら小舟で回る観光遊覧船。約50分。乗り降りの船着き場が三か所あり、一日乗り放題です。
16ある橋のくぐり抜けでは船の屋根が下がり、船頭さんそれぞれの案内も楽しみです。このくぐり抜けを使ってエコーの効いた歌を披露される船頭さんもいらっしゃいます。
・お堀沿いの塩見縄手の武家屋敷と松並木
松江城の北側、堀に沿った武家屋敷の通りを「塩見縄手(しおみなわて)」といいます。松江城築城の折、山を掘削して侍の屋敷をつくりました。縄手とは、縄のように一筋にのびた道の意味で、ここにいた塩見小兵衛が栄進をしたため塩見縄手と呼ぶようになりました。武家屋敷と共に小泉八雲旧居と小泉八雲記念館も並んでいます。
・宍道湖の夕陽
茜色に宍道湖の湖面を染める宍道湖の夕陽は、『日本の夕日百選』に選ばれ、湖面を渡る夕陽の帯に心が癒されます。
鑑賞のスポットは松江大橋や白潟公園、県立美術館など幾つかあります。お勧めは県立美術館をもう少し玉造温泉の方に歩いたところです。「鑑賞スポット」と案内されています。ここからは、ちょうど「嫁ヶ島」の小島を染めるように落ちる陽を鑑賞できます。
美味しい料理とともに松江の地酒もお楽しみください。
李白酒造有限会社
米田酒造株式会社
國暉酒造株式会社
王祿酒造有限会社
(参考 当サイトの「食と酒」)
松江の町は不思議な話でも皆様をお迎えします。こんなところに摩訶不思議な話が、ここには悲しい物語が残っています。
松江に伝わる話、小泉八雲の書籍に紹介された話の概要を紹介します。
・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)
松江だけではなく日本全国の至る所に「怖い話」や「悲しい話」があります。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が、妻のセツから聞き、まとめた本が『怪談・奇談』です。
1890年、アメリカで知り合った服部一三に、島根県尋常中学校(現県立松江北高等学校)と島根県尋常師範学校(島根大学)の英語教師に推薦され、8月に松江に来ます。まだ鉄道がない頃です。
翌年の1891年の1月 、中学教頭西田千太郎のすすめで、松江の士族小泉湊の娘・小泉節子と結婚します。暮らしていたのが塩見縄手の今の「小泉八雲旧居」です。11月、セツの一族を連れて熊本市の第五高等中学校へ移ります。
1896年(明治29年)、日本国籍を取得し、小泉八雲としました。松江生活の体験をまとめたのが『神々の国の首都』です。
・月照寺の大亀
松江市の西側に、松江藩の松平家代々のお墓のある月照寺があります。この月照寺に、大亀に大きな石碑を乗せた墓があります。これにまつわる話です。
亀を可愛がっていた亡くなった藩主を偲んで大亀の石像をつくりました。ところがこの大亀、人々が寝静まると城下に現れ、人を食べたのです。困った住職が大亀に説法をしました。大亀は涙を流して頼んだのです。「自分でも止めることができません。なんとかしてください」。住職は亡くなった藩主の功績を石碑に彫り込み、その石碑を大亀の背に置いたのです。その後、亀が町を徘徊することはなくなりました。
月照寺はアジサイの奇麗なお寺です。また抹茶を頂くこともできます(有料)。
・松江城 ギリギリの井戸
堀尾吉晴の命令の元、松江城築城の工事が行われました。ところが本丸東側の石垣が幾度も崩れ落ちるのです。調べたところ、なんと地下から錆びた槍の先、それに貫かれた髑髏がみつかりました。丁寧に供養しました。その後は何も起きず、工事も無事に終わりました。
また出土した穴からはきれいな水が沢山湧き出しました。そんなことから、ギリギリ井戸と呼ばれ人々の喉を潤したとのことです。ギリギリとは、頭のつむじのことです。
・松江大橋 源助柱(大橋川の人柱)
松江城を築城した堀尾吉晴の命によって、大橋川に橋が架けられることになりました。そこには竹の細い橋『カラカラ橋』が架かっていました。
さて、大きな木造の橋は途中でいくと崩れてしまい、なかなか出来ません。そこで人柱を立てることになりました。一番にカラカラ橋を渡った、マチのない袴をはいた男を人柱にすると決めたのです。その姿で一番に橋を渡ったのが、足軽の源助でした。源助は有無も言わさず箱に押し込められ、そのまま橋脚の下に埋められたのです。その甲斐あってか橋は完成、その後、大橋の中央の橋脚を「源助柱」と呼ぶようになりました。
その後も何度も架け替えられ、昭和12年(1937年)に17代目の橋が完成しました。橋の南側に小さな公園があり石碑が並んでいます。
・嫁ヶ島
宍道湖に小さな島があります。夕陽の宍道湖に欠かせないスポットです。この小島にはこんな悲しい話があります。
姑からいじめられた若い嫁が、実家に帰ろうとしました。ところが寒い日でした。いち早く帰りたかったのでしょうか。凍りついた宍道湖を渡ろうとしました。ところが氷が割れて水死しました。 不憫に思った水神様が、一夜にして島を浮かび上がらせたということです。それが『嫁ヶ島』です。
・松江歴史館
国宝松江城の東側、堀川沿いに武家屋敷風の建物があります。これが松江歴史館です。
鎧兜や刀、使われていた器具などの展示と共に松江藩の歴史・文化、そして城下の人々の暮らしなどを紹介しています。
お薦めは中程にある映像と音声による小泉八雲の作品など『怪談』や昔話の紹介です。松江の町の摩訶不思議な物語を楽しんでください。
館内の「喫茶きはる」では、城天守や日本庭園を眺めながら抹茶と和菓子が頂けます。
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