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2027年(来年) 石見銀山は発見500年・世界遺産登録20周年を迎えます ― イベント・シンポジュウム・講演会が県内外で開催予定 ―

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これを記念して、2026年(今年)から2027年にかけて、島根県内外で記念展や国際シンポジウムが計画されています。Webサイト『島根国』では、随時、イベント・シンポジウムなどの情報を発信します。また、石見銀山やその周辺地域の歴史や社会性について、独自な観点で紹介します。


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動乱と混迷の時代

石見銀山が発見された1527年頃の日本は、戦争と飢餓の混沌とした時代でした。室町幕府が失脚し、有力戦国大名が闊歩する戦国時代前夜にあたる状況で、政治的にも、経済的にも、日本が迷走する時代でもあります。

荘園制度をベースとした「米」を支配の要とする政治権力と、一方、海外貿易という「貨幣」経済を推進する商業資本。経済構造の軋轢と変遷は、戦国大名の軍事力だけでなく、政治思想や組織論(宗教団体も含む)に大きな影響を及ぼしたのです。そのなかに石見銀山の発見と活用を位置付けることが大切です。詳細については、今後の「石見銀山」記事に合わせて紹介します。(なぜ織田信長が天下統一をなしたか? なぜ毛利や尼子では無理だったか!)

大森町
大森町

世界の銀採掘の三分の一

石見銀山から採掘された銀の総量は、約400年間に渡りおおよそ2300トン以上と推測されています。これは当時の世界全体の三分の一を占めます。

大航海時代の世界的な銀流通に大きく「貢献」しました。一方、この数字から、銀の採掘に関わる労働人口(特に肉体労働者)、また周辺の関連産業(遊女や宗教を含む)の表に出ない部分の過酷さや非情さもうかがうことができます。

繁栄とともに、それを支えた労働層や周辺の人々の文化も、諸作品から引用紹介する予定です。最初に断っておきます。発掘に伴う重労働や病という弊害や貧困をことさら強調しようというのではありません。社会構造だけでなく、人の生き様を通した文化を投影するためです。むしろ、文化は人々の生活によって形成され、そして文化は人々の生活や思考を規制するからです。それが、また現在の行政の活動や企業活動を見る写し絵となります。

さて、時代を形成してきた石見銀山ですが、1923年(大正12年)に閉山します。奥出雲町のたたら製鉄と同じ運命をたどります。それがある意味での「島根県」、そして「日本海側(裏日本)」の歴史でもあるのです。

石見銀山の記念館

寂れいく大森町の再建

閉山とともに産業は滅び、人々は新たな仕事と食い扶持をもとめて、この町を去っていきます。当然の摂理です。生産形態を所有する資本家も苦境に追い込まれましたが、生産様式を一切もたず労働力という肉体だけの労働者や遊女はもっと哀れです。明日がないのです。
当然、人がいなくなれば暮らしていた町や集落も滅びます。数十年前の石炭鉱山の廃坑に伴う町のゴーストタウン化や赤字転落を思い出していただければ十分でしょう。

しかし、寂れいく大森の町の保存と再生に、十数年前から情熱と思いをこめて活動する企業があります。『島根国』でも取材させていただいた株式会社群言堂殿と株式会社中村ブレイス殿です。

紹介サイト

■群言堂・松場登美氏 『思いを込めた糸に織り成すライフスタイルの提案 再生された古民家で共に語らん、「帰っておいで」

■中村ブレイス株式会社・中村宣郎氏 『町に、暮らしに、明日に、古民家再生の熱き思い ―「喜び」を求め続ける中村ブレイス『think』の考え―

是非、ご一読ください。町の再生から経済的な自立、そして文化形成。そこには「喜び」と「未来」いう新たなエネルギーと夢が満ち溢れています。

群言堂
中村ブレイス

世界遺産登録20周年

あわせて世界遺産登録20周年の節目の年を迎えます。この20年、石見銀山周辺の自治体、さらには住民の皆様にとって、世界遺産認定は何であったかお聞きしたいところです。
認定時、多くの人が石見銀山や大森町を訪ね、歩行事態も大変だったと聞き及んでいます。

かつて日本再生の主政策として観光立国としてのインバウンドが推進されました(今も推進されています)。多くの外国人観光客が訪ね来た京都や一部のスキー場はどうなったでしょうか。富める者と貧しき者、恩恵にあやかる産業と弊害を被る生活者。

温かくなる週末や連休、鎌倉の小町通は人に溢れ、江ノ電は入場規制さえ行います。交通渋滞や乗車規制は地元住民にとって日常生活の快適さを奪い、観光客のマナーの悪さは環境風紀を乱し、文化さえ傷つけることとなります。一方、旅行者の思いも大切です。疲れ切った日々の癒しとして、また家族の大切な思い出づくりとして、鎌倉散策を選んだのです。

万人が満足する施策や状態はありません。だが対立という相手を否定するのではなく、共存する道を模索する会話と場を創ることが重要だと考えます。それが、相手の生活や日々を思いやる姿勢です。

歩行に難があり、また年老いた人もいます。協力も重要ですが、場合によっては「あきらめる」ことも大切だと考えます。長時間並で耐えることもあります。住民と旅行者との入場料金の格差も重要なテーマです。そんな譲り合いや理解が問題の解決へと繋がると信じています。

世界遺産認定にあたって賛成という意見もあれば、反対という意見もありました。評価する人、負の財産として総括する人もいるでしょう。それも対立としてみるのではなく、未来への価値観と関係づくりの相違として捉え、新たな道があると考えます。『島根国』としても、あらためて取材したいところです。

大森町
大森町

島根県のイベント、第一弾

島根県主催のイベントを紹介します。
「石見銀山発見500年、世界遺産登録20周年」の企画イベント第一弾として、東京・池袋の古代オリエント博物館で記念展を企画されています。是非、ご予定ください。

『古代オリエントから石見銀山へ~銀が動かす世界〜』

・日にち 2026(今和8年)  9月19日から12月6日

・会場 古代オリエント博物館

・東京都豊島区東池袋3丁目1-4 サンシャインシティ文化会館ビル7階

・展示內容

1 人間と金属との出会い
人類が金属(金・銀・銅・鉄)と出会い、利用し始めた過程とそれぞれの役割についての紹介。

2 銀の造形
銀の美しさと輝きを装身具や容器にあらわしてきた利用の歩みと、それを支えた技術の発展を紹介。

3 貨幣としての銀
価値を示す素材としての役割から、コインの誕生を経て、交易を支え、経済や文化を動かしてきた銀の役割について紹介。

4 銀の時代~大航海時代~
地球規模での交易が開始された大航海時代における銀の役割と、文化の変化について紹介。

5 石見銀山
銀の時代に大きな役割を果たした石見銀山について、銀生産の実態、鉱山社会などの視点から紹介

なお、会期中に関連講座やPRイベントも開催する予定です。

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●島根県主催の石見銀山関係のイベントの問合せ先

・石見銀山発見500年島根県記念事業実行委員会事務局(島根県教育庁文化財課世界遺産室内)
・〒690-8502島根県松江市殿町1番地 TEL.0852-22-6127 FAX.0852-22-5794
・Email: isekaiisan@pref.shimane.lg.jp

しめとして 

人は自ら生み出した「神」に時としてとらわれ、自らが発掘して経済の基準に置いた金・銀という「貨幣」に常に規制されています。手段や道具としてではなく、いつのまにか人は支配され、それを重要な事として求めているのです。

貨幣に管理されコントロールされるのは、この経済構造を存続させるためにはやむを得ないことでした。ただ、悲しいことは、心までが「支配」され、やがて「夢」を貨幣に換算してしまうことです。

「何が欲しい」と問われたときに、「お金」と答えてしまう自分がいます。お金があれば「何でもできる」と思考が固定されているのです。余るほど金を所有する金持ちならどうでしょう。きっと具体的に「なになに」が欲しいと答えるでしょう。

「Bib Why、どうあるべきか」。お金は幸せを創る手段でした。ところが、いつのまにか「手段」だったお金が「目的」になってしまいました。
石見銀山を振り返るとき、そんなこともふと考えてしまいます。

どう生きるべきかを考える意味でも、「石見銀山五百年」をwebサイト『島根国』は考えていきます。


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