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石見銀山と日本遺産の旅物語 序章

―世界遺産石見銀山の三つの地域と特徴―

総合プロデューサー
オロオロ

■案内人の紹介

『石見銀山と日本遺産の旅物語』の5コースを紹介する前に、僕・オロオロから、それぞれのコースの案内人と、「石見銀山」周辺地域について紹介します。

オロオロ

・案内人のひとり、オロオロ

まず、駆け出しの総合プロデューサーを務める僕、オロオロについてお話します。
オロオロは、奥出雲の船通山(鳥髪山)で育った八人兄弟の末っ子。といっても八子(やつご)の兄弟。高志の国から毎年、商いで来ると噂する人もいます。嘘です。僕たちは中国山地の「奥出雲」で生まれました。

和銅5年(712年)、天武天皇の命により稗田阿礼(ひえだのあれ)が暗記していた話を太安万侶(おおのやすまろ)が編纂した『古事記』に、僕たちに似た出来事が触れられています。でも、オロオロは物語の八岐大蛇(ヤマタノオロチ)のような極悪非道で残忍酷薄な生き物ではありません。

『古事記』の八岐大蛇は、頭が八つに尾が八つ、八つの山と八つの谷にまたがる巨大な体で、目は真っ赤に熟し、背中には苔がし檜や杉の巨木が生い茂っているそうです。まったく僕と違います。

それに八岐大蛇は、素戔嗚尊(須佐之男命・スサノオノミコト)が好きになり結婚した心優しく可愛いい櫛稲田姫命(クシイナダヒメノミコト)の姉さんたちを、食べてしまったそうです。そして最後には素戔嗚尊に征伐されました。

オロオロが八子だから「八岐大蛇」という人もいます。違います。それに、八岐大蛇退治も比喩・誇張されて『古事記』に書かれた神話かもしれません。このあたりは『島根国』掲載の「出雲神話と神々」を読んでください。

・案内人のシマネミコーズ

では、石見銀山と日本遺産の旅コースを紹介する案内人のみんなを紹介します。webサイト『島根国』のキャラクターにもなっている「シマネミコーズ」です。

どことなく『古事記』に登場する女子(じょし)神に似ているけど違います。「シマネミコーズ」と女子(じょし)神様は別物。あまりしつこく言うと本当になってしまうので、これからは「別人」とはあえて言うことは控えます。

まず、奥出雲(島根県の中国山地)生まれの「コメコメ」。奥出雲は古代から美味しいお米(仁多米)と立派な砂鉄(たたら製鉄)が採れるところでした。そのお米にちなんでコメコメと付けられたそうです。ちょっとおてんばで、野山を走ってます。でも、日焼けが嫌でぬいぐるみの帽子をかぶっているのが特徴でする

次は因幡(いなば・鳥取県)生まれの「ウサッピ」。大黒様(大国主命・素戔嗚尊と櫛稲田姫の六代子孫)が助けた「因幡の素(白)兎」にあやかってついた名前だそうです。走ることもジャンプも得意です。運動神経はずば抜けています。欠点は、信じやすく騙されやすいこと。そして良いところは情にもろくて他人を大切にするところかな。

続いて越国(新潟県・糸魚川)生まれの「カワセミ」。翡翠のように美しくしい文学少女。和歌を作る古風な家柄で、メールの返しも早いだけでなく、手紙を書くのも好きな少女です。それに賢いので話が比喩にとみ、また書物からの引用が多いので、僕の先生です。でも最近ラップにはまって、会話が大変で少し面倒。

トリは大御所でもある根の国(島根半島かな?)生まれの「コトネ」です。楽器演奏が得意。絶対音感があるようで、どんな音でも音符に直すくせがあります。予知能力から戦略を建てる能力が高く、議論や言い争いでは歯が立ちません。一途で面倒見もいいのですが、つい尽くすタイプで周りが見えなくなります。あわせて独占欲も強く、ちょっと大変。怒ると怖い。

それ以外にも、案内人がでるかましれません。もしかするとTBSドラマ『VIVANT』のように思わぬ方も出るかもしれません。お楽しみに。

コメコメ
コメコメ
ウサッピ
カワセミ
カワセミ
コトネ
コトネ

■世界遺産石見銀山

それでは、石見銀山とその周辺についてお話します。これも、みんなの計画と時間、そして興味に合わせてうまく調整してください。

石見銀山散策・見学は、三つの領域に分かれます。

一つは大森地区、二つは銀山地区、三つは温泉津地区。それぞれの概要と見どころ・特徴は次の通りです。

・石見銀山世界遺産センター

石見銀山のことを知るなら、まず、石見銀山世界遺産センターを見学してください。ただし、令和8年から令和9年3月まで、有料展示場はリニューアル工事のため閉館しています。なお、無料のエントラストとガイダンスコーナーにトイレは利用可能です。それぞれのコースのなかに組込んで散策・見学することをお薦めします。

パンフレット

・大森地区

整備された綺麗な町並みの大森町。世界遺産に認定されたからと勝手な推測はしないでください。町中への車両の進入が禁止されたのは、世界遺産保護の観点からだと思います。でも人の暮らす家並みは世界遺産認定の前からの保存活動があったからです。それについては『島根国』でも紹介していますので、まずここから勉強をしてください。

偶然や奇跡ではなく、一つひとつの英知と努力の積み重ねです。それがまた、世界遺産認定の評価ともなりました。

 ・中村ブレイス 

 ・群言堂 

中村ブレイス
群言堂

町並みを自転車で巡るのも、歩いても回るのも、みんなの体力と時間次第。僕なら歩いて一軒一軒、一つひとつ訪ね歩きします。疲れたら軒下の縁側や石を借り、あるいはお店で一休み。大森町のこだわりに触れてください。

見逃してほしくないのが、石見銀山資料館(いも代官ミュージアム)、熊谷家住宅、旧河島家、城上神社、観世音寺、羅漢寺と五百羅漢。そして大学生との共創による石見銀山まちを楽しくするライブラリーです。

遺跡の見学だけでなく、生活している日常と暮らす文化と触れ合い、学び合ういい経験になると思います。
ここで見たことや特徴、そして気づいたことをノートに地図入りで書き込んで、次に訪ねる日本遺産との繋がりを考える参考にしてください。

・銀山地区

自転車で大森の町から来た人もここからは歩きです。そのためにも歩きやすい靴を準備した方がいいと思います。
石見銀山という途方もない鉱山産業と従事する働く人と家族を支え、ときには自然の厳しさと運命を知らしめた自然。みんなも、龍源寺間歩、大久保間歩、清水谷精錬所跡、佐毘売山神社と、そこに続く路道の連なりを五感で感じてください。
ここには、自然の美しさとか、人々の英知としての文化や、自然と人が織り成した風土とは違う、生きていく厳しさを教えてくれる存在があります。

みんなの研ぎ澄ました五感と知識で感じ、そこから皆様独自の考えを生み出してください。
「百聞は一見に如かず」。「見る」だけでなく、五感で汲み取り、考えて、練ってねってオリジナルな知識としてください。そのためには、石見銀山世界遺産センターで見聞きした知識以外に、多くの書籍に触れてください。

オロオロは思います、世界遺産や日本遺産は見るのではなく、考えるところだと。それが散策という旅の醍醐味だと思います。

・温泉津地区

石見銀山で掘り起こされて精錬された銀も、大物町に留まるだけでは大きな価値(利益)を権力者にも資本家(工業・商業資本)にはもたらすことはありません。それを必要とするところに運び出す。そのルート(道と拠点)も世界遺産の範囲です。

石見銀山で掘り起こされて精錬された銀は日本海に面した港に運ばれます。また三瓶山を越えて瀬戸内海側へと運搬されました。

温泉津地区には、銀に関わる運搬と商いの面影が残っています。また、『男をつらいよ』でロケ地として使用された伝統的な焼き物「温泉津焼」。その歴史を紹介する記念館もあります。あわせて訪ねてください。また、本に対する変遷の中で生まれた「本と舎」で、旅の思い出と合わせて本探しをしてみるのも楽しいひと時だと思います。龍御前神社、西楽寺もお薦めです。

■世界遺産石見銀山と日本遺産の旅

オロオロからの話はここまでです。これからはシマネミコーズの皆から「世界遺産石見銀山と日本遺産の旅」の5コースを紹介してもらいます。
皆さん楽しみにしてください。

・出雲空港・萩石見空港別「石見銀山+日本遺産」旅コース概要

●出雲空港から

1 石見銀山+「日が沈む聖地出雲」(稲佐の浜)コース(レンタカー)
出雲空港から石見銀山にレンタカーで直行し、大森の町と銀山見学。その後、出雲市か玉造温泉にて宿泊(あるい温泉津)。翌日、出雲大社や稲佐の浜など神話の舞台と夕日を巡るか、足立美術館や松江市を散策(二泊目は松江)のコース。

2 石見銀山+「 出雲國たたら風土記」コース(レンタカー)
出雲空港から石見銀山に直行し、大森の町と銀山見学。その後、裏三瓶山から「たたら製鉄と鉄づくり千年が生んだ物語」の奥出雲町へ。宿泊は玉姫山荘、多根自然博物館、横田駅前の旅館。翌日、棚田やたたら製鉄の櫻井家・絲原家を見学後、農道を使って安来市へ。途中、金谷子神社・月山富田城・和銅博物館・足立美術館へ。

このコースは山道の運転になれた熟練者、また地元の人の同行を必要とします。事前の道の調査を徹底してください。その分、自然の山道を、古の奥出雲を十分堪能することができるコースです。

●萩石見空港

3 津和野今昔・益田の柿本人麻呂と雪舟+石見銀山(地元の交通機関とJR)
萩石見空港から津和野までの直通乗り入れタクシーを活用(事前予約)。「津和野百景図」の城下町の暮らしと文化を堪能。翌日、JRで益田に出、柿本人麻呂の伝説と中世の港・館・庭園などの遺構や雪舟ゆかりの文化を見学し石見銀山と大森の町へ。宿泊は大森の町か温泉津温泉。翌日、大森の町を見学し、出雲大社や稲佐の浜を経て出雲空港へ。

4 神々や鬼たちが躍動する神話の世界
石見地域で伝承される石見神楽などの芸能。ゆっくり石見地方の伝統芸能と石見銀山を回るコースです。

5 石見の火山が伝える悠久の歴史
三瓶山や石見銀山など、火山の恵みと鉱山。荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間と北前船寄港地・船主集落(外ノ浦など)をセットにした日本海と石見銀山のコースです。 

どのコースも魅力的、そしてややハードです。二泊三日のコースですが、時間と経済的にゆとりのある方は三泊四日がおすすめです。
詳細の案内は、今後の『島根国』をご覧ください。

   

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