原作演出・福沢克男、キャスト・堺雅人・阿部寛・二階堂ふみ・竜星涼・富栄ドラム・二宮和也・松坂桃李・役所広司等、豪華キャストのTBS日曜劇場『VIVANT』は、話題の作品となり続編が期待されています。島根ではロケ地紹介のパンフレットが制作されました。
そこでロケ地と連動し、関連の施設や物語を『島根国』のコンテンツと連携して紹介します。
―旅はその速さに比例してつまらなくなる―
■はじめに (島根国もアクセス激増)
その電話は、「あの~、すみません。よろしいでしょうか・・・」で始まったのです。
この頃、登録していない番号の着信にはでないことにしているのですが、それは救いを求めるかのように細々しく、遥か彼方の砂漠の中からのように途切れ途切れで乾ききっていました。(VIVANT出足の砂漠のような)
私は耳に当てたまま待ちました。
金属音のノイズが流れ、遠慮気味に小声が漏れたのです。
「突然かけて申し訳ありません。本当にごめんなさい・・・」と告げると名前を名乗り、「✖✖さんですか」と私の名前を告げたのです。
「私⤴、島根国(webサイト)、いつも見てます。それで奥出雲の櫻井家に向かったのですが・・・」
出雲空港でレンタカーを借り奥出雲に向かったのですが、慣れない山道と似たような風景に道に迷ったのです。ナビを開いても不明、観光施設に繋がっても今の場所が説明できず困り果て、救いを求めて掛けたのが私のところでした。
「私、いまどこにいるのでしょうか~」
この方、私たちが櫻井家に向かう途中で道に迷った『島根国』の記事を読んでおられたのです。
※①『地域と共に創る物語』「第四回 たたら製鉄の旅で考えた、尺度と環境」
「✖✖さんなら、私が何処にいるかわかると思って」
FaceTimeに映りだされた山道には見覚えはありますが、山道などどこも同じ、「ずっと民家も対向車もなくて・・・」
それが800キロも離れたFaceTimeによるドライブでした。
■パンフレットのロケ地
パンフレットではロケ地を人口の多い市町順(行政の視点)で紹介しています。
『島根国』では『VIVANT』のストーリーの重要度から、その地にまつわる物語や話題を『島根国』の記事に重ねて紹介します。ロケ地散策の旅の折には関係の地や史跡・施設も訪ね、いろんな方にお話を伺ってください。(掲載以外にも関連記事多数あり)
■たたら製鉄と自然を楽しむ奥出雲
乃木憂助(堺雅人)誕生地、奥出雲の櫻井家。代々たたら製鉄を営む家として阿部寛が訪ねます。また、たたら製鉄によって生まれた棚田は、美しい奥出雲の景観と宗教的な風習をつくっています。
・たたら製鉄
櫻井家にいては、次の一つの動画と二つの文章をご覧ください。(動画についてはYouTube「公式島根国」もご覧ください)
※②【産業遺産たたら製鉄】「櫻井家」
※③【文化のあやとり・島根の文化と歴史】「自然と歴史に織りなされた櫻井家『可部屋集成館』」【動画配信】(YouTube島根国でも配信)
※④【地方創生の活動】「櫻井家『可部屋集成館』 櫻井家に流れる経営の考え」(櫻井誠己理事長インタビュー)
たたら製鉄に従事したのは櫻井家だけではありません。櫻井家は三大鉄師のひとつで、ほかに田部家と絲原家があります。またいずれの産業でも、ひとつの企業体だけで存続するものではなく、そこには森林の伐採・砂鉄の採掘とたたら製鉄の製造だけでなく、製品に加工する業種、運搬する業種、販売する業種、働く人に日常品を提供する小売りや商売人用の宿泊所、さらには医師や教員と多くの人々のよって構成されています。
複合的な視点からたたら製鉄を、そして奥出雲の風景をご覧ください。
・たたら製鉄の概要を紹介した動画
※⑤【文芸のあやとり、島根の文化と歴史】『たたら製鉄を伝える「たたらと刀剣館」(奥出雲横田)』【動画配信】
・たたら製鉄全般の紹介
※⑥【産業遺産・たたら製鉄】
・たたら製鉄を検索する。たたら製鉄の意味もわかります。
※⑦【郷土史『奥出雲』と郷土研究の思い・『奥出雲』(全305号)草莽の研究者】
・田部家のたたら製鉄の歴史と現在
※⑧地域創生と市場創造を目指す「たなべたたらの里」(雲南市吉田町)
・絲原家の絲原記念館と庭園の動画
※⑨「鳥の眼、虫の眼、魚の眼」 行動の経営をめざして
・絲原家動画(絲原記念館、庭園、家屋)
※➉YouTube「島根国公式サイト」
・たたら製鉄(鍛冶屋も含む)の神様を祀る神社
※⑪「奥出雲とともに」 金屋子神社のはだし参り
安来市・雲南市・奥出雲町で日本遺産「出雲國たたら風土記」の里です。好奇心と探求心を開放し、ゆっくり・じっくり・のびのびと奥出雲の里をご覧ください。
■義経は成吉思汗 松江市
・弁慶誕生の地 本庄
野崎(阿部寛)が乃木(堺雅人)の過去を回想する学校が松江市の中海に面した本庄小学校です。本庄町は、弁慶の生まれた地でも有名です。
当サイトでも弁慶伝説の『君は天にはばたて我は地に這う』で紹介しています。義経は平泉で自害せず三陸から青森、そして北海道から大陸に渡り成吉思汗になると日本を攻撃した(元の来寇)という伝説があります。
奇しくもモンゴルと隣接したバルカ共和国には、拠点を構えるテントのベキとノコルが使命を持って暮らし、柚木薫が医療施設で働き、そこに乃木憂助や野崎守・ドラムが向かい、チンギスたちと戦うところから始まります。
ベキを成吉思汗になった源義経に置き換えると楽しくなりませんか。
※⑫「歴史と人物」【1話 義経は天にはばたけ、弁慶は大地に立ちつくす】
■古代史の謎と美を楽しむ出雲市
出雲大社について説明は不要ですね。ここでは出雲神話の謎を紹介します。
・古代出雲歴史博物館と荒神谷遺跡・加茂岩倉遺跡
※⑪しまねつれづれ草 藤岡大拙
■おわりに
映画の構成を解説したハリウッド脚本の作り方という書籍があります。簡単に言えば表象(表現)は異なっても、意識するかしないに関わらず深層部分では同じ構造であることを説明しています。
すべての物語の構造(組み立て)は同じで、そこに人間模様や関係が幾重にも張り巡らされ、愛憎や喜怒哀楽に妬みなどが織り込まれるのです。それを丁寧に紐解き、構造に整理するとほとんどは同じ構成になっているのです。レヴィストロース『野生の思考』
簡単に言えばテレビドラマの『水戸黄門』ですね。登場人物が複雑になっても基本は身元を隠した水戸光圀の悪事の退治です。ハリウッド映画も基本は夢に一度敗れ挫折しても仲間や恋人の協力のもと勝利する。たまに最後にどんでん返しがあっても、それはハッピーエンドの真逆の構成であって、本筋の構造は同じです。
ということで『VIVANT』も構造的にはほかのドラマと同じです。このドラマが数奇に満ちているのは、乃木憂助の肝心の「真の敵が誰か」が確定されていないことです。だからドラマは揺れ動くのです。テント(父でもあるベキ)は任務の対象であって乃木の真の敵と誰も言ってはいません。
噂される続編は、意外と真の敵が現れるところから始まるかもしれません。
その意味で、義経はモンゴルで成吉思汗になった「義経伝説」を構造主義的に重ねると面白いですね。
義経をベキとし、乃木憂助を鎌倉の海に捨てられた義経と静御前の子にするといかがでしょうか。(「鎌倉殿の13人」を思い出しましょう)
殺された乃木は誰を恨むでしょうか。捨てた父・義経、殺すよう命じた頼朝、実際殺した北条の家臣、あるいは政子、はたまた生んだ静御前、さてさて援軍を送らなかった平泉の藤原家、遡れば後白河法皇に平家。それとも静御前の生んだ赤ん坊の父親が義経ではなかった。としたら・・・
乃木の真の敵は? それによっては絵巻も変わってきます。こんなことを想像しながら島根の小径を旅しましょう。ちなみに原作演出・福沢克男氏は『砂の器』を制作されました。
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