中国山地の奥深い山間の道を進むと大樹に包まれた大きな門構えの屋敷が現れます。それが「鉄師」の住む館で、今は一部記念館として運営されています。たたら製鉄はカンナ流しによる砂鉄の採取だけでなく、採取後の田んぼ利用による棚田を生み、美味しい米を生産します。そんな地元の生活文化と合わせて紹介します。
たたら製鉄とは、砂鉄を原料に、木炭を燃料にして鉄をつくる古代からの製鉄法で、我が国で独自の発展を遂げ江戸時代にその最盛期を迎えます。当時、中国地方の鉄生産は全国の8割以上を占めるに至り、奥出雲はその中心地帯でした。
美しい山間を抜けると吉田川沿いに開けた山里があります。そこがたたら製鉄で栄えた「企業城下町」です。田部家土蔵群の見慣れぬ建物に、一瞬、歴史のなかへ舞い落ちる感覚をもちます。それは自然と人がとけあった世界かもしれません。
JR三成駅から車で20分、渓流沿いの道を走るとやがて左前方に橋が見えてきます。その橋を渡り、すこし進んだところに櫻井家があります。秋の紅葉(庭園のいろはもみじ)や春先の若葉、夏の深緑と四季折々の山の彩で迎えてくれます。冬は奥出雲の厳しい自然のなかで暮らす人々の英知を教えてくれるでしょう。
絲原家と田部家(雲南市吉田町)、櫻井家(奥出雲町上阿井)は、松江藩の三大鉄師です。絲原家の黒門を抜けると静寂さのなかに揺れる木洩れ陽に、一瞬、悠久の時へと足を踏み入れた錯覚に陥ることでしょう。
「横に長い田があることから横田という」。そのJR木次線の「出雲横田駅」から車で30分。斐伊川上流の船通山の麓に卜藏家はあります。船通山からの吹き下ろす風が、四季折々の色彩に自然の有様を織りなしています。
たたら製鉄と地方の近代化を目指して(奥出雲大谷)
たたら製鉄と地方の近代化を目指して(奥出雲大谷)
戦国武将とたたら製鉄の出会いが創る文化
自然や人・社会と深く関わってきたたたら製鉄の『生産と自然再生』の歴史。その文化遺跡の継承と展開を、自然との共存、地方創生ともに、これからの櫻井家・可部屋集成館について、公益財団法人「可部屋集成館」理事長、櫻井誠己様に、お話をお伺いしました。
櫻井家に流れる経営の家の教えを忘れることなく、訪問者の心を大切に。
公益財団法人「絲原記念館」副館長の絲原丈嗣様に、これからの絲原家・絲原記念館についてお話をお伺いしました。
櫻井家に流れる経営の家の教えを忘れることなく、訪問者の心を大切に。
公益財団法人「絲原記念館」副館長の絲原丈嗣様に、これからの絲原家・絲原記念館についてお話をお伺いしました。
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