• ~旅と日々の出会い~
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総集編「酒と出会いと別れ」を振り返って

 ― また君に会いたい、また君に恋している

はじめに

『自然と恵み 食と酒』のコーナー「酒と出会いと別れ」で紹介させていただきました島根の酒蔵30は、島根県酒造組合発行のパンフレット『日本酒発祥の地しまね』に掲載された酒蔵を参考にしました。

インターネット上のwebサイトには、島根県の酒蔵は41軒と表示したものもあります。この十数年で廃業した酒蔵も含まれています。ここで紹介した二つの酒造も経営難から町が買い取り生産を続けています。廃業は島根に限ったことではありません。1600とも1400とも云われる全国の酒蔵の数字ですが、多くの酒蔵が廃業に追い込まれています。酒の世界も蔵元の努力や思いだけでなく、イノベーションとマーケテイングが求められているのでしょう。

「酒と出会いと別れ」は、酒蔵の銘酒一点を選び、それにまつわる出会いと別れを物語に綴りました。酒飲みの方、酒蔵の皆様、また酒を卸す販売店さんにとって、紹介した酒ではなく別の酒をと思われたかもしれません。機会があれば、紹介させていただきます。まずは島根のすべての蔵元の銘酒を紹介させていただきました。

ひとつの区切りとして、すべての話のタイトルとともに酒蔵を記載した地図を掲載させていただきます。

30酒蔵の酒物語

酒にまつわるタイトルの前に付いた数字は、掲載順の番号です。地図には、この数字を記載しましたので、話とともに酒蔵を地図でご確認ください。

島根県は、出雲地方、石見地方、隠岐地方とそれぞれ独自な文化と歴史を築いてきました。それも酒蔵の考えや味に表れているかもしれません。島根を旅された折、掲載した物語を思いつつ、酒蔵とその町を訪ねて頂ければ幸いです。

1) 涙の京都競馬場 テンポイント ― もしもハイセイコー・テンポイント・シンボリルドルフが走ったら ―(七冠馬) 簸上清酒合名会社 (奥出雲町)

2) 鯨カツデートの報復 ― 酒は忘れた思い出を連れてくる、だから泣ける ―(豊の秋) 米田酒造株式会社 (松江市)

3) 袖振り合うも他生の縁 ― うまい酒をだす店 ―(十旭日) 旭日酒造有限会社 (出雲市)

4) マキシムコートを着た黒髪の女性 ― 酒とゲルベゾルテの香り ―(隠岐誉) 隠岐酒造株式会社 (隠岐の島)

5) 七難八苦をあたえたまえ ― 横山大観、どじょうすくい、そして月山富田城 ―(月山) 吉田酒造株式会社 (安来市)

6 )国引き神話の里 ― 時空をまたぐ創り手の熱い思い ―(意宇) 王禄酒造有限会社 (松江市東出雲町)

7) 甘酸っぱさにまどろむ時  ― 一杯、一杯、また一杯 ―(李白) 李白酒造有限会社 (松江市)

8 )無弦琴と琴ケ浜  ― 左右対称の文字に魅かれて ―(開春) 若林酒造有限会社 (大田市)

9) 百六十キロ車窓の宴  ― 酒は地域を語る名刺 ―(宋味) 株式会社右田本店 (益田市)

10) あの橋を渡ると  ― 学食のカレーライス一杯分のラブレター ―(死神) 加茂福酒造株式会社 (邑智郡)

11) 途中下車の旅  ― 三方よしの思い出酒 ―(ヤマサン正宗) 株式会社酒持田本店 (出雲市平田町)

12) 富士は日本一の山  ― すれ違いに織りなされた青春 ―(出雲富士) 富士酒造合資会社 (出雲市今市町)

13) 思い出を訪ねて  ― ファンであることの微かなこだわり ―(環日本海) 日本海酒造株式会社 (浜田市)

14) 『思い出』という思い出  ― 松江には思い出という妖怪がいる ―(國暉) 國暉酒造株式会社 (松江市)

15) 二対一の鼎(かなえ)  ― 小さくても自らの力で輝いてみよ ―(初陣) 古橋酒造株式会社 (津和野)

16) 保温携帯ポットの燗酒  ― 大元神楽と藁蛇 ―(玉櫻) 玉櫻酒造有限会社 (邑智郡)

17) 情熱の日々を思い出す酒  ― 東京ラブストーリー、そんな時代もあったね ―(理可) 有限会社一宮酒造 (大田市)

18) 市町村合併  ― 遠きにありって思う故郷の色と音 ―(奥出雲) 奥出雲酒造株式会社 (仁多郡奥出雲)

19) 凛として ― 心で味わう日本酒の想いと味 ―(蒼斗七星) 青砥酒造株式会社 (安来市)

20) 黙して重ねる盃 ― 恋に当たれば酒でおさめる ―(美波太平洋) 木次酒造株式会社 (雲南市木次)

● 拝啓、島根県酒造組合様、蔵元様 ― 8月24日『愛酒の日』を『島根の酒』の日にしちゃいませんか ―

● 愛酒の日・特集 ― 日本酒発祥の地・島根の酒蔵総まくり ―

21) 友からの酒に歯車が動きだす ― 胸襟を開くことができなかった宴 ―(我が道を行く) 株式会社竹下本店 (雲南市掛合町)

22) 鮎がつくった一期一会 ― 出会い、縁、繋がり、別れ ―(津和野盛) 華泉酒造合資会社 (鹿足郡津和野町)

23) 結婚式の祝い酒 ― 娘のためにとオヤジは東京を目指す ―(天穏) 板倉酒造有限会社 (出雲市)

24) 源頼朝の名馬、池に映る月影のごとし ― 車座の酒もよし、献上の酒もよし ―(池月) 池月酒造株式会社 (邑智郡邑南町)

25) 君の名は ― 復讐されたラブレター代筆屋 ―(金鳳) 金鳳酒造有限会社 (安来市)

26) 芯のある控えめな姿に教えられた ― 上手い話と旨い酒に魅せられただろう? ―(扶桑鶴) 桑原酒場 (益田市)

27) 酒に込められし謎かけ ― 青春という実直な恋径(こいみち) ―(鷗外の郷) 財間酒場 (鹿足郡津和野町)

28) 友、遠方より来、遠方に去る ― 見知らぬ酒が教えた亡き父の姿 ―(石見野) 株式会社岡田屋本店 (益田市)

29) 錦を飾る友に送る酒 ― いつか見ん、争う二梃の漕艇を、大橋の上から ―(都錦) 都錦酒造株式会社 (江津市)

30) 遠きにありて思う故郷の酒 ― 酒かかるも(袖振り合うも)他生の縁 ―(絹乃峰) 株式会社赤名酒造 (飯石郡)

酒蔵外伝 (廃業した酒蔵)

Ⓐ 仕上げることがなかった理科室の写生画―河井寛次郎と廃業した安来市の天界酒造―(天界) 天界酒造 (安来市)

地域別酒蔵

酒蔵によっては、工場見学や試飲を行っているところがあります。島根の旅の折に訪ねても、楽しい思い出づくりになると思います。但し、多く酒蔵は事前予約になっております。事前に確認してください。

  【出雲地方】16

  • 松江市 李白酒造、米田酒造、國暉酒造、王禄酒造
  • 安来市 金鳳酒造、吉田酒造、青砥酒造
  • 雲南市 木次酒造、竹下本店
  • 雲南市 旭日酒造、板倉酒造、酒持田本店、富士酒造
  • 飯石郡飯南町 赤名酒造
  • 仁多郡奥出雲町 奥出雲酒造、簸上清酒

【石見地方】13

  • 大田市 一宮酒造、若林酒造
  • 江津市 都錦酒造
  • 浜田市 日本海酒造
  • 益田市 右田本店、岡田屋本店、桑原酒造
  • 邑智郡 加茂福酒造、池月酒造、玉櫻酒造
  • 鹿足郡津和野 石州酒造、古橋酒造、財間鹿足

【隠岐地方】1

  • 隠岐郡隠岐の島町 隠岐酒造

今後について

現時点では未定ですが、島根のお酒を今後ともいろいろな角度から初回してゆく考えです。そのひとつが「酒蔵外伝」としての廃業された酒蔵です。また首都圏のお店を通して島根のお酒の紹介も検討しています。今後ともよろしくお願いします。

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