• ~旅と日々の出会い~

『島根国』が、三年目を迎えました

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-君に会いたい、君と感動したい、そして君と歩む-

『島根国』が三年を迎えました。その2年間を振り返り、そして決意も新たに新しいコンセプトの元、3年目の新規企画、強化企画、メディアミックスの企画を紹介します。


出雲神話の始まり、船通山(鳥髪山)

はじめに -メディアとしてー

2020年12月、島根に暮らす人と島根を旅する人を結ぶコミュニケーション・サイトとして、『島根国』は誕生しました。

その時、私たちは一つの約束事を決めました。「定期的にコンテンツを更新する」と。それはメディアとしての姿勢でした。二年間、毎週、月曜日にコンテンツを更新してきました。これからも変わることはありません。

なぜ、月曜日なのか? 

理由はいたって単純です。みんな、平日は仕事があり週末と深夜が『島根国』に関われる時間帯だからです。そんな努力と共創の結晶が今の『島根国』です。これからも多くの協賛者の皆様と、そして新たな「君」と頑張ります。

この場をお借りし、取材や原稿執筆にご協力を賜った皆様に心からお礼申し上げます。また愛読して頂き、叱咤激励のメールや連絡を頂いている皆様にも心より感謝致します。

今後とも『島根国』をよろしくお願いします。

国宝の松江城天守閣

1 二年目の試み -もっと島根にー

この二年を振り返る意味で、二年目に実行した新たな試みの幾つかを紹介します。

動画で島根の自然や文化、人々の営為を紹介

言葉で伝えられる事もあれば、伝えにくい事もあります。映像だからありのままのすべてを伝えられるかというとそれもありえません。存在するものをありのままに伝えることは、どんな伝達手段をもちいてもできません。

何かを伝えようとすれば、発信者の価値観や見方・考え方という「編集・デザイン」のフィルターを通過します。そこで編集加工された情報や作品が生まれるのです。

逆にクリエイターや作家の考えや見方を楽しむことができ、自分の価値観や感性を高めることもできます。当然、ムッとして不快に感じることもあるでしょう。

少しでも「島根」の自然や文化のリアリティーさを多面的に伝えたいと、テキストデータ(文章での紹介)とともに映像での紹介を開始しました。島根に暮らす人の生の声も極力とりあげました。

『島根国』での紹介とともに、YouTubeにも公式サイト『島根国』も立ち上げました。

旅する人の参考になればと思います。そして島根に暮らす人のメッセンジャーとして少しでも貢献できればと考えています。

中海の朝焼けモーニングクルーズ
美保関・佛谷寺
心に残る島根の風景】の動画

荒神谷遺跡 あじわいの散歩 2022年3月末
もっと島根 YouTubeで動画配信
【動画配信】そうゑもんのぶらり松江城散策 ―しゃいで粋な、そうゑもん、漫談ガイド―
【動画配信】朝酌(あさくみ)発、中海の朝焼けモーニングクルーズ  『中海』、ぐるりと半周、不思議いっぱいの旅 ―穏やかな水面に照る、神代からの人の思い―
人びとが戦火から守った美保関、佛谷寺の仏像 ―表裏一体の仏像が教えた美と誠実―
神話と交易、人と海に織りなされた美保関町 ―美保関には、いろんなリズムがながれている―
【動画配信】戦火で奇跡の残存仏像 ―龍海山三明院佛谷寺-
【動画配信】神話と旋律が奏でる「美保神社」
【動画配信】ロマンと幻夢の「青石畳通り」
【動画配信】人々が戦火から守った仏像群「佛谷寺」
【動画配信】神を導き、航路を守る「美保関灯台」
島根県民の歌、「薄紫の山脈(やまなみ)」心に残る詩、忘れられない景色

美保神社
美保関灯台
文芸のあやとり―島根の文化と歴史-】の動画

【動画配信】自然と歴史に織りなされた櫻井家『可部屋集成館』
・昔話と自然との関りが紡ぎ、創る「かんべの里」

可部屋集成館

既に撮影が終わったものもあります。これからの紹介もお楽しみに。

心に残る島根の風景】予定動画
雲州平田・木綿街道、古の時空・意宇の郷、神話とたたら製鉄の里・奥出雲、小泉八雲のいる風景、等々。

木綿街道
小泉八雲宅

文芸のあやとり―島根の文化と歴史】予定
たたら製品と文化・晩秋の絲原家、たたら製鉄を伝える・たたらと刀剣館、等々。

絲原記念館展示
たたらと刀剣館

連載 島根を伝える(コーナー「文芸のあやとり」)

島根つれづれ草 藤岡大拙氏

歴史とは、出来上がった一条の帯とは異なります。無数の糸が織りなされて未来へと向かいます。その変化は決して未来だけのことではありません。過去のことも、新たな発見や考えで大きく変わることもあります。その変化を受け入れることも、大切なことです。 ながく島根の歴史文化の継承と発展に寄与されてきた藤岡大拙氏。その歴史は、人と営みとの出会いの日々でした。だからこそ、気づいたことを、思い出したことを、これは話しておかねばと温めてこられたことを、すこしずつ紐解いていただきます。

「目次」

1.前口上
2.島根の歴史「四つの謎」
3.雪舟
4.出雲阿国の生国
5.歌人寂蓮法師の驚き
6.国譲り神話
7.斉明五年(659年)の出雲の反抗
8.祟り神の揺曳(ようえい)―平安時代の杵築大社
9.祭神の変更

出雲大社・稲佐の浜
山陰地方の昔話 酒井董美氏

文字よりもはるか以前に生まれた音声言語。時に声の強弱や表情、身振り手振りをともなって伝えられました。その総合演出が芝居でしょう。ラジオや本はあっても、まだテレビもないころ、子どもたちの楽しみにはお婆さんやお爺さんが話す昔話でした。話す方も、ただ聞いたことを繰返すのではなく、創意工夫や新たな演出が成されていました。山陰地方の口承文芸を長きにわたり収録・研究されたなかから紹介して頂きます。QRコードで聞く生の昔話から、出雲地方の方言を体感してください。

「目次」

1.ZOOMとQRコード
2.昔話1)「博打長者」 島根県仁多郡奥出雲町下阿井
3.昔話2)「猿蟹合戦」 鹿足郡吉賀町田野原
4.昔話3)「狐の変化玉」 隠岐郡海士町御波
5.昔話4)「金の犬こ」 仁多郡奥出雲町下阿井
6.昔話5)「鼻なおし」 大田市富山町山中
7.昔話6)「蛸屋八兵衛」 隠岐郡知夫村薄毛
8.昔話7)「姉は鬼」 飯石郡飯南町角井
9.昔話8)「閻魔の失敗」 浜田市三隅町福浦
10.昔話9)「出葉屋の婆さん」 隠岐郡知夫村多沢
11.昔話10)「七夕の由来」松江市美保関町万原
12.昔話11)「カタツムリの息子」 鹿足郡吉賀町注連川
13.昔話12)「蟹渕の主」 隠岐郡隠岐の島町上元屋
14.昔話13)「桃太郎」 松江市八束町二子
15.昔話14)「菖蒲が迫の婆」 浜田市三隅町東平原
16.昔話15)「猫とカボチャ」 隠岐郡知夫村古海
17.昔話16)「羽釜借り」 出雲市乙立町
18.昔話17)「子守歌内通」 浜田市三隅町東大谷
19.昔話18)「若返りの水」 隠岐郡知夫村多沢
20.昔話19)「鉈取られ物語」 松江市美保関町七類
21.昔話20)「金屋子さんと鍛冶屋さん」 邑智郡美郷町都賀本郷
22.昔話21)「ネズミ浄土」 隠岐郡知夫村薄毛
23.昔話22)「三人の山子」 仁多郡奥出雲町竹崎
24.昔話23)「むすびを食べた地蔵様」 鹿足郡吉賀町注連川
25.昔話24)「アマンジャクと兄弟」 隠岐郡隠岐の島町郡

かんべの里

斐伊川を流れる奥出雲の文化

出会いが創る郷土史研究 リレーエッセイ

刊行物『奥出雲』に関係した思い出、また郷土史研究に関わっておられる皆様の思いや、住みよい町づくりに励んでおられる皆様の姿を、リレー形式でお話して頂きます。新しい出会いと繋がりが見つかるはずです。

「目次」

1.出雲の奥座敷 藤岡大拙 (NPO法人出雲学研究所理事長)
2.奥出雲地方の思い出 酒井董美 (元島根大学教授・口承文芸研究者) 
3.方言(訛言)についての二つの史料 内田融 (八雲会事務局長) 
4.郷土史家・故高橋一郎先生の想い出 宇田川和義 (奥出雲多根自然博物館館長) 
5.高橋一郎先生の思い出 小澤泰明(元毎日新聞松江支局記者)
6.仁多米のルーツ 内田律雄(海洋考古学会代表)

神社造りの駅舎「JR出雲横田駅」
奥出雲とともに 尾方豊氏(古代史の小径)

奥出雲に暮らし、奥出雲の自然と文化の保護継承、豊かな町づくりに携わってきた意識と感性で、ありのままの奥出雲を語ります。

変わらぬ山に思える船通山にも、四季折々の装いがあり、人との関りがあります。昨日までは優しく見えた山が、一夜にして固く閉ざされた凶暴な山となります。また、人は人との関りによって、自然への思いや関りも変わります。そんな変化もここに暮らし人たちの喜びであり、営為です。

微かな変化も感じ取る感覚で、奥出雲の自然や文化の生業を紹介します。

・金屋子神社へのはだし参り
・たたら製鉄により作られた景観
・トロッコ列車
・雲州算盤のまち奥出雲町

金屋子神社

地方創生とSDGs(地方創生の活動)

地方創生、文化継承、自然共存等で活躍する企業・団体、個人を取材し、報告します。理念のもと、地域・仲間とともに試行錯誤と切磋琢磨を繰返す営為のなかに新たな価値の創造があります。そんな情熱に私たちは共感します。

紹介の都合上2021年の取材先も含めて報告します。

石見銀山の町並み

「取材順」

地域とともに自然再生と地方創生を目指して ―『合同会社グリーンパワーうんなん』の森林事業と地域連携―
『合同会社グリーンパワーうんなん』職務執行者・勝部祐治様

櫻井家に流れる経営の考え ―経営の原点から地方創生の未来へー
『公益財団法人可部屋集成館』理事長・櫻井誠己様

おもてなしの心から街づくりへ ―真心のこもった「おせわさん」の案内で松江の文化を紹介―
『一般社団法人Expeおせわさん』代表理事・広瀬徹様、湯町淳子様

絲原家「鳥の眼、虫の眼、魚の眼」行動の経営を目指して ―家の教えを忘れることなく、訪問者の心を大切に―
『公益財団法人絲原記念館』副館長・絲原丈嗣様

思いを込めた糸に織りなすライフスタイルの提案 ―再生された古民家で共に語らん、「帰っておいで」―
『株式会社石見銀山生活文化研究所』代表取締役所長・松場登美様 

町に、暮らしに、明日に、古民家再生の熱き思い ―「喜び」を求め続ける中村ブレイス『think』の考え―
『中村ブレイス株式会社』代表取締役社長・ 中村宣郎様

泊まれる博物館から体験交流型宿泊施設『百姓塾』へ、村づくり ―「不便」が教える「自然」「出会い」の意味と価値―
『奥出雲多根自然博物館』館長・宇田川和義様

地域創生と市場創造を目指す「たなべたたらの里」(雲南市吉田町) 産業としてのたたら製鉄から文化・哲学としてのたたら製鉄へ
『株式会社たなべたたらの里』取締役副社長・井上量夫様、営業部長・井上裕司様

田部家土蔵群

紹介しましたように私たち『島根国』は、島根に暮らし、活動し続ける皆様と小さくはありますが繋がり始めました。この繋がりを大切に、そしてまだ出会っていない皆様との出会いを楽しみに邁進したいと考えております。

島根に暮らす人たち、島根を旅する人たちのご支援を楽しみにしております。そして、私たちも新しい一年にチャレンジしていきます。

2 三年目の活動

さて、これからの2023年を、私たち『島根国』は次のように計画しています。

これまでのコンテンツの更新は続けるとともに、新たな活動と強化すねコーナーのポイント、およびコンテンツとは異なりますがプロモーション、そしてリアルとバーチャルの共創イベントについて概要を紹介します。

稲佐の浜の夕陽

更なる強化コーナー

原稿執筆の拡大

執筆して頂いている藤岡大拙氏、酒井董美氏、尾方豊氏には引き続きお願いします。新たに島根の自然と文化に関係する領域や、記念イベントや保護・保存活動に関わっておられる皆様と調整させて頂いております。

テキスト原稿での参加とは別に動画取材での投稿も計画・撮影済みです。また、島根在住ではなく他の都道府県在住の島根ファンの研究者や芸術家等の皆様も検討中です。

楽しみにしていください。

出会いが創る郷土史研究 リレーエッセイ

ある意味で、「生きた学問」は現場に、そして大地や海原にあるのではないのでしょうか。そして学問・研究は、科学的立証と論理的大系とは別に、感性の出会いと営為の繰返しの中に生まれるかもしれません。

「おばちゃんの知恵袋」が、「おじいちゃんの経験と含蓄」が、知識や学問ではないと断定できるのでしょうか。

職種を越え、階層を越え、そして年齢の分け隔たりもなく、あらゆる分野の「知」という経験と試行を探し、発表します。

地方創生とSDGs

島根に暮らす人と島根を旅する人の出会いをクリエイティブする『島根国』で、最も大切なコンテンツです。

地方創生の活動」と「SDGsと未来デザイン」の二つに分け、今後も取材をベースに活動を続けられる団体・企業・学校・個人の方をお訪ねします。

動画での配信

これまで以上に自然・歴史文化・人々の営みを動画でお伝えします。民俗芸能、風習・祭りなど地元の皆様との協業も検討しています。

島根の人たちとの共創

「自然とビジネス」の新規コンテンツとして、いくつかの試みを計画中です。共に何かを創造するプロセスに焦点をあて、リアルとネットワークのメディアミックスで行います。

共に創り出す喜びを『他利』の精神で目指します。

プロモーション

『島根国』には沢山のキャラクターがいます。このキャラクターを使ってもっと多くの人びとに繋がるプロモーションを実行します。そのひとつが、キャラクターのシールとTシャツの製作です。

アクセス拡大に向けて、皆様方のご協力をお願いします。

キャラクターシール

3 三年目の約束

webサイト『島根国』掲載の取材や撮影の枠を越え、島根の皆様や旅する皆様とのリアルな活動も検討しております。

私どもから情報発信だけでなく、インターネットを繋いでの座談会、文化芸能や商品の紹介、さらには島根を訪問しての交流や意見交換も試みます。

私たち『島根国』は、webという形態にこだわらないイノベーションを起こします。そのためには、島根の財産を未来にどう繋げ、残すかの意識の変革も大切だと考えています。

島根に暮らす人と島根を旅する人の交流や価値の共有を通し、次の三つのデザイン(※)思考を新たなコンセプトに定めました。

 ※既存の概念や形象の延長ではなく、一度解体して新たな要素と関係で創りあげるプロセス。

三つのデザインとは。
ひとつ、コミュニケーションによる共感のデザイン
ふたつ、価値創造性のクリエイション・デザイン
みっつ、時空(時代や地域)を越えたフィーチャ・デザイン
三つのデザインを三年目のコンセプトとして実行します。

三つのコンセプト・デザイン

私どもの活動に共感し、多くの皆様のご協力とご支援をお待ちしています。

2022年12月吉日     
webサイト『島根国』  
運営責任者 高橋 寧