• ~旅と日々の出会い~
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紡ぎ、編み、織りなして、糸となり、紐となり、帯となる。そんな文化文芸を、島根在住のいろんな方のエッセイ・文芸・研究などの紹介を通し、『島根』の旨味、深み、色合いとしてお伝えします。

文芸のあやとり

時空を超えて凝集分離を繰り返す情念と理性の表現世界。それは文字に秘められし人の世の秘め事であり、彷徨(さまよ)えし性(さが)。誰ぞ細き糸に紡ぎ、誰ぞ帯と織り成さんか。宮に仕えし語部(かたりべ)が、巷を放浪する旅芸人が、織りなされし物語の綾を解く。

そんな島根に伝わりし文芸を、ここでは『万葉集』と『文芸』にて紹介します。

【目次】

・島根つれづれ草 藤岡大拙
・山陰地方の昔話 ―酒井董美(ただよし)、口承文芸―

・晴『交』雨読(島根関連の書籍紹介)【NEW】
・島根の文化と歴史
・出会いと別れ 万葉の小径を行く 川島芙美子(山陰万葉を歩く会会長)
・旅の思い出を「サンドイッチ手法」で綴る

島根つれづれ草 藤岡大拙

歴史とは、出来上がった一条の帯とは異なります。無数の糸が織りなされて未来へと向かいます。その変化は決して未来だけのことではありません。過去のことも、新たな発見や考えで大きく変わることもあります。その変化を受け入れることも、大切なことです。 ながく島根の歴史文化の継承と発展に寄与されてきた藤岡大拙氏。その歴史は、人と営みとの出会いの日々でした。だからこそ、気づいたことを、思い出したことを、これは話しておかねばと温めてこられたことを、すこしずつ紐解いていただきます。

藤岡大拙 (ふじおか だいせつ)

【現住所】
島根県出雲市斐川町

【略歴】
昭和07年     (6月26日)島根県斐川町に生まれる
昭和31年     京都大学文学部史学科(国史学専攻)卒業
昭和63年     島根県立島根女子短期大学教授
平成0元年     島根県立八雲立つ風土記の丘所長(平成17年3月退任)
平成09年08月  同短期大学学長(平成17年3月退任)
平成17年04月  荒神谷博物館館長、NPO法人出雲学研究所理事長(現在に至る)
平成22年04月  しまね文化振興財団理事長(令和3年12月退任) 
平成22年08月  松江歴史館館長(令和3年3月退任)現在、松江歴史館名誉館長
平成22年11月  瑞宝中綬章 受章
令和 4年 3月  島根県功労者表彰 授彰

【社会的活動】
島根県立図書館において、「古文書を読む会」の講師を53年間、「出雲国風土記を読む会」
の講師を43年間務める。出雲弁保存会会長を務める。
平成21年4月~26年3月 堀尾吉晴公銅像建設委員会委員長、平成22年9月~28年3月
松江城を国宝にする市民の会会長を務める。令和2年~ 松江城を守る会会長を務める。

【著書】
「島根県地方史論攷」「山中鹿介紀行」「出雲人」「塩冶判官高貞」「出雲礼讃」
「出雲とわず語り」「心の旅」「今、出雲がおもしろい」「出雲弁談義」
「神々と歩く出雲神話」「出雲学への軌跡」「山中鹿介」など多数。

【信条】
郷土の歴史の語部(かたりべ)として頑張りたい。
1.前口上
2.島根の歴史「四つの謎」
3.雪舟
4.出雲阿国の生国
5.歌人寂蓮法師の驚き
6.国譲り神話
7.斉明五年(659年)の出雲の反抗
8.祟り神の揺曳(ようえい)―平安時代の杵築大社
9.祭神の変更
10.神賀詞(かむよごと)奏上の中止
11.神々が出雲に集う
12.龍蛇(りゅうじゃ)漂着
13.杵築大社の巨大化 ― ―雲太・和二・京三
14.杵築大社神殿倒壊の謎
15.顕と幽
16.記紀の神話は「机上の製作」
17.出雲は神々の流刑地
18.『神々の流竄』から『葬られた王朝』へ
19.出雲の霊威力は平安中期で終わったか
20.中世杵築大社の霊威
21.出雲人は神明を知らず

関連記事

藤岡大拙にとっての『出雲学』

山陰地方の昔話 ―酒井董美(ただよし)、口承文芸―

文字よりもはるか以前に生まれた音声言語。時に声の強弱や表情、身振り手振りをともなって伝えられました。その総合演出が芝居でしょう。ラジオや本はあっても、まだテレビもないころ、子どもたちの楽しみにはお婆さんやお爺さんが話す昔話でした。話す方も、ただ聞いたことを繰返すのではなく、創意工夫や新たな演出が成されていました。山陰地方の口承文芸を長きにわたり収録・研究されたなかから紹介して頂きます。QRコードで聞く生の昔話から、出雲地方の方言を体感してください。

平成23年(2001)4月2日出雲市大社町「いずも民話の会」にて
略歴
昭和10年(1935)生まれ。松江市出身。山陰両県の口承文芸を収録・研究。島根県の中学・高校・大学で勤務したのち「出雲かんべの里」館長。現在、山陰両県の民話語り部グループの育成に努める。平成26年、国際化功労者表彰(しまね国際センター)。

主な著書
『ふるさとの民話』(ハーベスト出版)、『山陰のわらべ歌。民話文化論』(三弥井書店)、『新山陰の民話とわらべ歌』(今井書店)など多数。

イラスト:福本 隆男

1.ZOOMとQRコード
2.昔話1)「博打長者」 島根県仁多郡奥出雲町下阿井
3.昔話2)「猿蟹合戦」 鹿足郡吉賀町田野原
4.昔話3)「狐の変化玉」 隠岐郡海士町御波
5.昔話4)「金の犬こ」 仁多郡奥出雲町下阿井
6.昔話5)「鼻なおし」 大田市富山町山中
7.昔話6)「蛸屋八兵衛」 隠岐郡知夫村薄毛
8.昔話7)「姉は鬼」 飯石郡飯南町角井
9.昔話8)「閻魔の失敗」 浜田市三隅町福浦
10.昔話9)「出葉屋の婆さん」 隠岐郡知夫村多沢
11.昔話10)「七夕の由来」松江市美保関町万原
12.昔話11)「カタツムリの息子」 鹿足郡吉賀町注連川
13.昔話12)「蟹渕の主」 隠岐郡隠岐の島町上元屋
14.昔話13)「桃太郎」 松江市八束町二子
15.昔話14)「菖蒲が迫の婆」 浜田市三隅町東平原
16.昔話15)「猫とカボチャ」 隠岐郡知夫村古海
17.昔話16)「羽釜借り」 出雲市乙立町
18.昔話17)「子守歌内通」 浜田市三隅町東大谷
19.昔話18)「若返りの水」 隠岐郡知夫村多沢
20.昔話19)「鉈取られ物語」 松江市美保関町七類
21.昔話20)「金屋子さんと鍛冶屋さん」 邑智郡美郷町都賀本郷
22.昔話21)「ネズミ浄土」 隠岐郡知夫村薄毛
23.昔話22)「三人の山子」 仁多郡奥出雲町竹崎
24.昔話23)「むすびを食べた地蔵様」 鹿足郡吉賀町注連川
25.昔話24)「アマンジャクと兄弟」 隠岐郡隠岐の島町郡
26.昔話25)「大歳の火」 仁多郡奥出雲町竹崎
27.昔話26)「度胸のよい婿捜し」浜田市三隅町東平原
28.昔話27)「津井の池の蛇婿」隠岐郡隠岐の島町大久
29.昔話28)「若水汲み」仁多郡奥出雲町竹崎
30.昔話29)「海老と大鳥」浜田市三隅町古市場
31.昔話30)「テンテンコウシ」隠岐郡西ノ島町波止
32.昔話31)「初夢長者」仁多郡奥出雲町大呂
33.昔話32)「樫の木の元と裏」鹿足郡吉賀町椛谷
34.昔話33)「冬に来る山姥」隠岐郡西ノ島町波止
35.昔話34)「キツネとカワウソとサルの拾いもの分配」松江市玉湯町下大谷
36.昔話35)「椛谷次郎の山芋納め」鹿足郡吉賀町椛谷
37.昔話36)「ネズミ浄土」隠岐郡隠岐の島町上那久
38.昔話37)「敬助の浄瑠璃聴き」松江市八束町二子
39.昔話38)「便所は法事」江津市跡市町
40.昔話39)「熊に助けられた木樵」隠岐郡海士町
41.昔話40)「絵姿女房」仁多郡奥出雲町大馬木
42.昔話41)「エンコウの恩返し」邑智郡邑南町井原
43.昔話42)「地獄と極楽」隠岐郡海士町御波
44.昔話43)「狐の踊り」松江市宍道町東来待
45.昔話44)「猫の恩返し」江津市波積本郷
46.昔話45)「ネズミ経と古屋の漏り」隠岐郡隠岐の島町中里
47.昔話46)「団子婿」松江市八雲町市場
48.昔話47)「毘沙門天からの福もらい」邑智郡美郷町都賀本郷
49.昔話48)「天人女房」隠岐郡隠岐の島町飯田
50.昔話49)「小僧の化け物退治」仁多郡奥出雲町大呂
51.昔話50)「エンコウ婿」浜田市三隅町鹿子谷
52.昔話51)「産神問答」隠岐郡海士町保々見
53.昔話52)「法事の使い」出雲市大社町宇龍
54.昔話53)「水飴幽霊」益田市西平原町
55.昔話54)「小僧の蜂蜜なめ」隠岐郡海士町御波
56.昔話55)「大判が怖い話」松江市八束町二子
57.昔話56)「猿婿入り」浜田市三隅町古市場
58.昔話57)「鶴の恩返し」隠岐郡海士町保々見
59.昔話58)「狐の変化玉と似せ本尊」松江市玉湯町下大谷
60.昔話59)「三つの易」浜田市三隅町向野田
61.昔話60)「横着者の話」隠岐郡隠岐の島町郡
62.昔話61)「釜の下の灰坊」仁多郡奥出雲町大呂
63.昔話62)「千年比丘尼」浜田市下府町
64.昔話63)「鬼の豆」隠岐郡知夫村多沢
65.昔話64)「かちかち山」出雲市乙立町呂
66.昔話65)「猫女」大田市三瓶町池田北
67.昔話66)「唐人の寝言」隠岐郡隠岐の島町津戸
68.昔話67)「焼き米を食った男」浜田市三隅町芦谷
69.昔話68)「釜の下の灰坊」仁多郡奥出雲町大呂
70.昔話69)「地蔵さんのくれた鋏」浜田市三隅町福浦
71.昔話70)「天道さん金の鎖」隠岐郡知夫村仁夫
72.昔話71)「竹伐り爺」飯石郡飯南町八神
73.昔話72)「風呂場の大黒さん」浜田市三隅町芦谷
74.昔話73)「若返りの水」興雄郡知夫村多沢
75.昔話74)「猿の一文銭」仁多郡奥出雲町大馬木

晴『交』雨読(島根関連の書籍紹介)

島根について書かれたいろいろな分野の書籍を紹介します。書籍の案内や評論のみならず書籍の素材、島根との関わり、そして今後の展開など独自の観点から解説します。【晴『交』雨読】とは、晴れたら外に出て人々と交わり、雨が降ると読書する意味です。

1.「『砂の器』と木次線」(村田英治)記録から共存へ ― すべては出会とコミュニケーションから ―
2.『古代国家の形成と出雲国の誕生』(吉松大志)学術書をヒントに謎解きの旅へ
3.『時代屋の女房・怪談』(村松友視)松江の幽霊を愛した女
4.『明治の津和野人たち』(山岡浩二)あのひとは帰ってこない
5.『出雲人』(藤岡大拙)地域活性化に活かす出雲人気質を掘り起こす
6.『スイッチバック大全』(江上英樹 /栗原景) スイッチバックの挽歌を聴きつつ

島根の文化と歴史

ひとはひとや社会に出会い、営みをはじめます。ひとは自然に働きかけることで、創造物を生みだしてきました。繰返される営為と創造、そして変革によって歴史が築かれ、文化が芽生え、時間と創意と協調によってたくさんの「時間」(歴史)と「空間」(文化)に織りなされたのです。そして、それは果たしなく続くのです。

島根。この地にこだわる出会いがあり、花咲き実を結ぶ夢があり、志のもとに新たな価値を創造し、変革してきた人々と社会の物語があます。もちろん厳しい環境のなかで淘汰された文化も、そして問い直された歴史もあるでしょう。

そんな人々が築き、重ね続ける文化と歴史を、ひとと社会の出会いや美しい自然との関りを通して紹介します。ひとの数ほど夢と生き様があるように、紡いだ百花繚乱の文化や歴史を紐解き、伝えます。

荒神谷遺跡から発掘された銅剣358本
1.自然と歴史に織りなされた櫻井家『可部屋集成館』【動画配信】
2.昔話と自然との関りが紡ぎ、創る「かんべの里」
3.たたら製鉄と文化を伝える絲原家と『絲原記念館』(前篇) 【動画配信】
4.たたら製鉄と文化を伝える絲原家と『絲原記念館』(後篇) 【動画配信】
5.たたら製鉄を伝える「たたらと刀剣館」(奥出雲横田)【動画配信】
6.出雲弁の出会い ―旅は情と言葉との出会い―
7.永井隆博士記念館(島根県雲南市)
8.鐘は響き渡る、永井隆記念館(雲南市)【動画配信】

旅の思い出を「サンドイッチ手法」で綴る【NEW】

― 思い出は写真・記念の品・紀行文の三種の神器で ―

文章を書くのが苦手、でも、旅の思い出を形にして伝えたいと思っている貴方に、短時間で簡単に書ける方法をお伝えします。ビジネス報告書で使用する『サンドイッチ手法』です。

旅の思い出を①要領よく、➁感動的に、③今の気持を色醒めることなく書き留めましょう。描きとめた創作品を『旅物語』と名付けます。

はじめに
第一章 物語の基本はワンパターンの「構造」

出会いと別れ 万葉の小径を行く

万葉集ゆかりの地、島根を巡って、万葉の風を感じてみませんか。

島根は、神話の国、万葉の国です。

出雲大社とご縁の国としても有名ですが、実は万葉集ゆかりの地が色々あるロマンの国でもあるのです。特に石見(島根県西部)は 万葉恋歌の舞台として有名です。

万葉集の最高恋歌、柿本人麻呂の「石見相聞歌」の舞台を訪ねてみましょう。地元の人のあたたかい楽しいおもてなしと、万葉食と美肌温泉があなたを待っています。

御朱印帳を片手に恋のスポット巡りを始めてみませんか。

(コーディネータ:川島芙美子 山陰万葉を歩く会会長)

令和に蘇る出雲・石見の万葉歌人

詳しくはこちら


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映画「神在月のこども」が10月8日全国ロードショー

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